★★★★☆
あらすじ
以前の支店時代の顧客から怪しげな巨額融資を頼まれ、断り切れずに受けてしまった銀行員。
池井戸潤の同名小説の映画化。阿部サダヲ主演。タイトルの「シャイロック」は、シェークスピアの「ヴェニスの商人」に出てくる強欲な高利貸しのこと。122分。
感想
怪しい巨額融資事件を中心に描く銀行員たちの群像劇だ。この融資を受けてしまった男だけでなく、支店長や主人公、またそれを調査した検査部の男など、皆何かしら後ろめたいものを持っていて、彼らの思惑が渦巻いている様子が面白かった。金を直接扱う仕事なので不正に手を染めやすい職業なのかもしれない。
ただ、佐藤隆太演じる騙された行員は、いつも相手の言いなりであまり有能なエリートには見えなかったり、中盤くらいから存在感を増していく阿部サダヲ演じる主人公も、なんで探偵みたいなことをやり出して、しかもなぜ有能なのかは分からない。それぞれの人物描写に甘さは感じた。
主人公らの調査により事件の裏にある真相が明らかにされる。しかし行員たちは札束をとめる帯封をぞんざいに扱い過ぎだ。焦った状態で現金にばかリ気がいっているので、付属物にまで注意が及ばないということだろうか。それから行員たちが、カジュアルに同僚たちの銀行口座をチェックしているのが怖かった。
終盤は、主人公らが悪い奴らを懲らしめる展開になっていく。水戸黄門的な分かりやすい展開だ。緊張感もあってハラハラさせられた。そして無事に成敗できた時にはカタルシスがあった。主人公らは完全に正義とは言えないが、ほぼ勧善懲悪の時代劇みたいだった。
みんなスーツをビシッと決めてスマートなふりをしてはいるが、やっていることは「ミナミの帝王」と何も変わらない。阿部サダヲはキレイな竹内力といったところだろうか。金貸しはどんなレベルであれ、皆シャイロックの子供たちなのだなと実感する。
スタッフ/キャスト
監督 本木克英
脚本 ツバキミチオ
原作 シャイロックの子供たち
出演 阿部サダヲ/上戸彩/玉森裕太/柳葉敏郎/杉本哲太/佐藤隆太/橋爪功/佐々木蔵之介/渡辺いっけい/忍成修吾/近藤公園/木南晴夏/安井順平/酒井若菜/森口瑤子/徳井優
音楽 安川午朗
登場する作品
劇中で上演されている劇




