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「死刑にいたる病」 2022

死刑にいたる病

★★☆☆☆

 

あらすじ

 祖母の葬式で久々に実家に戻ってきた大学生の男は、顔なじみだった連続殺人犯の死刑囚から手紙が来ていることに気づく。129分。

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感想

 連続殺人犯の死刑囚から、一つだけ自分がやっていない殺人事件があるから調べて欲しいと依頼される大学生が主人公だ。前半は主人公がその事件の真相を探る様子が描かれる。前半は、死刑囚の安楽椅子探偵ものみたいで、普通にミステリーとして楽しめる。実際には死刑囚は何もせず、主人公の報告をすごいね、さすがだねと褒めるだけなのだが。

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 だが物語は単純なミステリーでないことが段々と明らかになってくる。主人公は事件を調べるうちに死刑囚の様々な過去を知り、彼の依頼には別の目的があったことに徐々に気付いていく。阿部サダヲ演じる死刑囚の恐ろしさに背筋が凍り付いていく展開だ。

 

 だがこの段階になると物語の推進力が急激に落ち、一気につまらなくなってしまった。そもそも主人公が捕まる前の死刑囚と親しかったのは、どう考えても彼のターゲット予備軍にされていたからなのに気付いていなかったり、世間を騒がせた事件のはずなのに、主人公の母親と死刑囚が知り合いだったことを知らなかったりと、不自然なことが多すぎる。それまで見て見ぬふりをしていた疑問点が一気に噴出してしまった。

 

 

 それに主人公のキャラが、テンションの低い一本調子でやる気があるのかないのか、有能なのかそうでないのかが非常に曖昧なのもすっきりとしない。また、設定上仕方がないが、主人公と死刑囚の面会シーンが多くなっており、この死刑囚も穏やかなキャラなので、起伏が少なく動きもない会話中心の閉塞感のあるシーンばかりになってしまった。停滞感が強くて、とても冗長に感じてしまう。

 

 終盤は大体想像がつくことばかりだったので、そこは畳みかけるようにテンポよく消化して欲しかった。緩急なくだらだらと続くので、死刑囚の恐ろしさよりも、いつになったら終わるのだろう?と、そのことばかりが気になってくる映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督 白石和彌

 

脚本 高田亮

 

原作 死刑にいたる病 (ハヤカワ文庫JA)

 

出演 阿部サダヲ/岡田健史/岩田剛典/宮﨑優/鈴木卓爾/佐藤玲/赤ペン瀧川/大下ヒロト/吉澤健/音尾琢真/中山美穂/岩井志麻子/不破万作/阿曽山大噴火

 

死刑にいたる病

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死刑にいたる病 - Wikipedia

 

 

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