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「白い花びら」 1999

白い花びら (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 田舎で仲睦まじく暮らす夫婦のもとに、車が故障して立ち往生した都会の金持ち風の男が助けを求めてやってくる。

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 モノクロ無声映画。原題は「Juha」。フィンランド映画。78分。

 

感想

 田舎の夫婦が都会の男に人生を狂わされてしまう物語だ。冒頭で仲睦まじい夫婦の様子が描かれ、字幕でもそう紹介されていたのに、妻が色目を使ってきた都会の男にあっさりとなびいてしまったのは驚いた。

 

 これが普通と思って生きてきたのに、外から来た人間にもっと違う素晴らしい世界があると気付かされたからなのか。今ならどこの馬の骨かも分からないような怪しい人物のYouTube動画を見て、真実に目覚めたと思ってしまうようなものだろうか。

 

 新しく得た知識イコール真実だと思ってしまうのも残念なところだが、若さゆえだ。もし若くもないのにそうだとしたら、それは幼稚だからだろう。物事を見極められる経験は大事だなと痛感する。結局最初に覚えた知識が正しかったと気付くこともできる。ただ、若いと軽率になりがちで失敗するし、経験を積むと臆病になりがちで失敗するから難しい。

 

 都会の男に心を奪われ、ファッション雑誌を読んでメイクの練習をし、夫をないがしろにしてしまう妻の様子には、分かりやす過ぎて笑ってしまった。無声映画ならではだろう。そして迎えに戻って来た都会の男と共に家を出て行ってしまう。

 

 

 だが新たな人生に夢見心地になったのも束の間、妻は都会の男の正体を知って絶望の底に突き落とされる。シンデレラストーリーのような出来事など滅多に起きない。現実で起きるほとんどは、地味でありきたりでつまらないものだ。誰かの派手で心地よくて面白い話を、すぐに真実だど思いたがるのは、今ならアニメの見過ぎだと馬鹿にされてしまうやつだろう。

 

 騙されてしまった彼女だが、特に軟禁されるわけでもなく、いつでも出て行こうと思えば出ていける状態に置かれていたのは意外だった。夫の元に戻れないなら行くところなどないだろうと判断されていたのかもしれない。これはこれで女性の生きづらさをよく表している。

 

 彼女の哀しい末路を描く物語なのかと思っていたら、終盤に突然、取り残された夫の復讐譚が始まって意表を突かれた。原題の「Juha」は彼の名だ。それまでほぼ彼のことは放置されていたので、バランスの悪さを感じてしまった。

 

 そしてこれまたあまり触れられていなかった夫婦の飼い犬が、ここでいい仕事をする。意を決して都会に向かう男のあとを必死に追いかける。短い時間だったがグッと来るシーンだった。

 

 どこにでもありそうな普遍的なものを感じるストーリーとなっている。世界中の誰もが感情移入できそうだ。そえゆえにクラッシクな無声モノクロ映画というスタイルを取ったのだろう。

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 ちなみに無声映画としては、昔のⅤシネみたいな軽い劇伴音楽がずっと流れているのが気になった。ただ肝心なシーンでは無音にしたり、またある音を際立たせたりと、効果的になるような工夫をしていたので、敢えての演出だったのかもしれない。

 

 それから、都会の男が悪い奴だったからこの結末になったが、もし彼がとても善い人間で、彼女がそれまで以上に幸せになっていたらどうなっていたのだろうか?とも考えてしまう。夫はどんな行動をとっただろうか。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作/編集 アキ・カウリスマキ

 

原作 Juha (Aspasia Classics in Finnish Literature,) (Aspasia Classics in Finnish Literature,)

 

出演 カティ・オウティネン/サカリ・クオスマネン/アンドレ・ウィルム

 

音楽 アンシ・ティカンマキ

 

白い花びら (字幕版)

白い花びら (字幕版)

  • サカリ・クオスマネン
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白い花びら - Wikipedia

 

 

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