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「相続人」 1973

相続人(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 事故死した大物実業家の事業を相続した息子は、父親の死に不審を抱き、調査を始める。

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 ジャン=ポール・ベルモンド主演。フランス映画。112分。

 

感想

 巨大な事業を相続した男が、父親の事故死の調査に乗り出す物語だ。セリフや説明を最小限にとどめ、硬派な雰囲気で進行する。この時代の映画は今の感覚だとテンポが遅く、もっさりとした印象を受けがちだが、そんなことは全くなかった。映像的な面白さやこだわりを感じる演出で冗長さは全く感じられず、むしろ惹きつけられる。

 

 主人公は、政財界で巨大な力を持つにも関わらず、従業員を搾取するのは古いと言い放ったり、所有する雑誌社には自身を含めた業界の闇をどんどんと暴けとハッパをかけている。権力をかさにして横暴に振る舞うでも保身に走るでもなく、攻めの姿勢を貫いておりカッコいい。何をしでかすか分からないような、時代を変える型破りなヒーローの風格が漂っている。

 

 

 とはいえあまりに完璧だと白けてしまうが、彼の場合、あっさりとハニートラップに引っ掛かったり、うっかりズボンのままでバスタブに入ってしまったりと、抜けた一面もあって愛嬌がある。ユーモラスな彼の行動が、ハードな映画の緊張感を解きほぐしてもくれる。

 

 父の死の真相が判明し、いよいよ犯人との対決かと手に汗握っていたら、思わぬ展開が待ち受けていた。意表を突かれて呆気にとられてしまったが、そのシーンをいろんな角度から何度も繰り返し見せるラストは味わい深かった。政財界の深い闇や巨大な力など、様々なものが頭の中を駆け巡る。

 

 ハードなトーンにソフトな笑いを織り交ぜ、先の読めない展開でグイグイと引っ張る映画だ。古い映画だからと侮れない魅力を放っている。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 フィリップ・ラブロ

 

脚本 ジャック・ランツマン

 

出演

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モーリーン・カーウィン/ジャン・ロシュフォール

 

相続人(字幕版)

相続人(字幕版)

  • ジャン=ポール・ベルモンド
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相続人 (1973年の映画) - Wikipedia

 

 

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