★★★☆☆
あらすじ
世界平和のために核廃絶に乗り出したスーパーマンの前に、再び宿敵レックス・ルーサーと彼が作った強敵ニュークリアマンが立ちはだかる。93分。
感想
前作まですべて2時間を超えていたシリーズが、今作では急に90分と短くなってしまった事からも色々察してしまうが、実際の所かなり予算的に厳しかったようだ。これまでは、スーパーマンが飛んだりする特撮映像はこの時代のわりにはよく出来ているなと思えるものだったが、今作ではかなりレベルが落ちてしまったように感じる。終盤には、スーパーマンが装着しているワイヤーが見えてしまっているシーンまであって、これはさすがに萎えてしまった。
前作では登場しなかったジーン・ハックマン演じる悪役レックス・ルーサーが三度目の登場。もうだいぶ慣れてしまったが、彼は今回も相変わらずの天才ぶりを見せていて、スーパーマンの遺伝子を強化したニュークリアマンを誕生させ、打倒スーパーマンに挑む。ちなみにニュークリアマンは「Nuclear Man」なのだが、字幕のカタカナ表記を見るとどうしても「New Clear Man」と頭の中で勝手に置換してしまってどうにも落ち着かなかった。
そしてこのニュークリアマンが、悪そうな顔をしているのだが、頭もまた悪そうなのがいい。彼が悪いことをして、スーパーマンがその後処理をしていく様子はまるで腕白な赤ちゃんと優しいお母さんのようでもあり、なんだか微笑ましい光景だった。太陽光がないと何もできないという設定もどこか抜けてる感じを醸し出している。クライマックスのスーパーマンとの対決も、一目惚れをした女性に会いたい気持ちが高ぶって暴れてしまったのがきっかけとなっている。まったくなんの計画性のかけらもなく、ただただ馬鹿っぽくてなんだか憎めないキャラだ。
雑なストーリーで、どういう展開なのだがよく分からない部分が多いのだが、これは上映時間が短いことが功を奏していて、テンポの良さでまあ別にいいかという気にさせてくれる。これで前作までと同様に2時間以上あったらはらわたが煮えくり返っていたかもしれない。短い映画は粗が目立たず、七難を隠してくれる。おかげで気楽に見るにはちょうどいい感じの映画となっている。
ただ、最近の映画は上映時間が長くなる傾向にあるようだが。
スタッフ/キャスト
監督 シドニー・J・フューリー
原案/出演 クリストファー・リーヴ
製作 メナハム・ゴーラン/ヨーラン・グローバス
出演
マーゴット・キダー/ジャッキー・クーパー/ジョン・クライヤー/サム・ワナメイカー/マリエル・ヘミングウェイ/スザンナ・ヨーク
関連する作品
ブランドン・ラウス主演による「スーパーマン」映画の次作 *実質的には「スーパーマンII/冒険篇」の続編