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「すずめの戸締まり」 2022

すずめの戸締まり

★★☆☆☆

 

あらすじ

 宮崎で叔母と暮らす女子高生は、通学途中に若い男に廃墟の場所を尋ねられ、気になって自分もあとを追う。

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 新海誠監督のアニメ映画。深津絵里、染谷将太、伊藤沙莉らが声の出演。122分。

 

感想

 通学途中に、廃墟を探す若い男に話しかけられた女子高生が主人公だ。その男は、地震を引き起こす扉の戸締りをするために、各地の廃墟を回っている。自分のやらかしによって椅子になってしまった男を救うために、主人公はそのカギを握る猫を追う。

 

 主人公は宮崎から愛媛、神戸と移動しながら各地で人と触れ合い、地震を治めるために扉の戸締りをしていく。まさに少女の冒険物語といったところだ。椅子になった男も一緒だが、冷静に考えると、椅子と旅をしているなんてクレイジーで面白い。

 

 

 そしてたどりついた東京で、主人公と男は巨大な地震を引き起こそうとする異世界の存在と対峙することになる。クライマックス感漂う壮大な映像と音楽の中で繰り広げられた戦いは、悲しい出来事がありながらも何とか治めることができた。主人公の当初の目的も、望ましい結果ではなかったが一応の片は付き、一件落着のムードが広がった。

 

 しかし、まだ前半が終了しただけだった。その後は、結果に満足できない主人公が挽回しようと必死になる姿が描かれる。だがもうピークは過ぎた感があり、長い後日談というか、蛇足のように感じてしまう。しかも急に個人的な話がメインとなるので、スケールが小さくなった印象だ。

 

 それまでは世界を救いながら成長していく少女の物語だったのに、成長するために世界を巻き込む少女の物語になってしまった。世界を救うどころか元凶になっていないか?とツッコミたくなる。「たとえ世界を敵に回しても…」という話なら、せめてその自覚は持っていて欲しいところだ。ラストも壮大なスケールで私的なことをやっていて、バランスが悪い。

 

 そもそもわずか数時間会っっただけで、その後は椅子になってしまった男にそこまでこだわる理由もよく分からない。彼は職に殉じたとも言えるわけで、それを認めないのは失礼なような気もする。もちろん助けられるなら助けてあげるべきなのだろうが、引きずっているだけに見える。

 

 これは主人公が震災で母親を失ったことが影響しているのだろう。震災を絡めつつ、今はもう無い場所やいない人への思いを描きたかったのかもしれないが、 メッセージが散漫でうまく整理できておらず、ピンとこないものになってしまった。前半と後半でガラリと変わってしまう映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 新海誠

 

原作 小説 すずめの戸締まり (角川文庫)

 

出演(声) 原菜乃華/松村北斗/深津絵里/染谷将太/伊藤沙莉/花瀬琴音/花澤香菜/神木隆之介/松本白鸚

 

音楽 RADWIMPS/陣内一真

 

すずめの戸締まり - Wikipedia

 

 

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