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「スウォーズマン 女神復活の章」 1993

Swordman 3 (The East Is Red) [Import espagnol]

★★★☆☆

 

あらすじ

 前作で死んだと思われていた東方不敗は実は生きており、各地に現れた偽物に憤っていた。「スウォーズマン 女神伝説の章」で人気となったキャラクター「東方不敗」をメインに据えたスピンオフ作品。

 

感想

 雑な前作のダイジェストから物語はスタート。このあたり親切なのか不親切なのか良く分からないが、なんとなくは思い出せるのでありがたい。

 

 今回の主役は東方不敗。前作のように強くなるために女体化したという設定は、ほとんど強調されないので、どういう気持ちで彼を見ていいのか分からないというモヤモヤはあまり感じなかった。一部人物が「彼」とは呼ぶが、ほぼ女性の扱い。

 

 

 物語はこの東方不敗に全員が振り回されるだけ、という映画と言ってしまっていいのかもしれない。そもそも彼女が何をしたいのだか、さっぱり分からない。決して自分が東方不敗だという事を明かしてはいけないと周りに厳しく言ってたくせに、呆気ないほどあっさりと自ら名乗り出したりして、えーっと思ってしまった。

 

 各地で東方不敗を騙る人物が現れたことにもご立腹の様子で、もう目立ちたいのだか、そっとしておいて欲しいのだか、まったく分からない。そんな気ままな東方不敗のペースに観客も含めて巻き込まれていく。

 

 正直よく分からない物語の流れが続くのだが、それぞれのシーンが面白いから見ていられる。なぜかカジキマグロに乗ったり、船が潜水艦に変形したりと色々と無茶苦茶な出来事が起こる。しかし、なぜカジキマグロだったのだろう。普通はイルカとか鯨とかもっとメジャーなものを選びそうなものだが。

バショウカジキ ミニモデル(AF-212)

バショウカジキ ミニモデル(AF-212)

  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 そして、戦いのシーンも面白い。空を飛んだり、秘孔を突き合ったり。まるで特撮ヒーローやアメコミのヒーローたちが戦っているかのような超人ぶり。リアリティよりも面白さを重視した彼らのアクションは見ごたえがあった。荒唐無稽過ぎて文句を言う気にもならず、むしろ振り切れていて気持ちが良い。

 

 前作では中途半端だった日本の要素も今回はしっかりと活用している。東方不敗演じるブリジット・リンに女博徒の真似事で半肩を出させたり、甲冑を着させて戦わせたり。いろいろ間違った描写もあるが気にしてはいけない。

 

 様々な登場人物の中では、官側の軍隊のトップの人間が良かった。客人を驚かすために敵軍に襲われて死んだふりをするとか、なかなかの悪ふざけっぷり。まわりにたくさん女性を侍らかしたり、部下に自分を崇めさせたりと下劣さも見せていて、大抵こういう人物は雑魚キャラなはずなのだが、実はそれなりに強いという意外性。でも考えてみれば、実力の世界でその地位にいるのだから当然か。

 

 ストーリーには納得のいかないものを感じながらも、なんだかんだで楽しめてしまう映画。最終的には男女の悲しい物語に落ち着いたというところか。武術の達人といえども人間味があるというべきか、未熟な人間が秘術を身につけてしまったというべきか。

 

 

スタッフ/キャスト

監督 チン・シウトン/レイモンド・リー 

 

脚本/製作 ツイ・ハーク

 

出演 ブリジット・リン/ジョイ・ウォン/ユー・ロングァン

 

スウォーズマン - Wikipedia

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