★★☆☆☆
あらすじ
ニューヨークから実家に戻った若い女は、韓国に現れた怪獣が自分の動きとシンクロしていることに気付く。
アン・ハサウェイ主演。原題は「Colossal」。110分。
感想
失業して酒に溺れ、恋人に家を追い出されてしまった若い女が主人公だ。行き場を失って故郷に戻るが、小学校の同級生と再会し、そこから仕事や友人を得ることができた。
人生に行き詰まった若い女が故郷で再出発を図るヒューマンドラマの始まり、みたいな序盤から突然、ミスマッチな怪獣が登場する予想外の展開となるのが面白い。だがその後がいけなかった。
主人公は、韓国で現れた怪獣が自身の動きと同期していることに気付き、仲間と共に面白がったり、反省したりする。だが、最初に面白がるのは分かるとして、いつまでもそれにかかずらわっているのが腑に落ちない。世間に迷惑をかけていることが分かっているのだから、もう怪獣を登場させるのは止めればいいのにと思ってしまった。
そして、最初は主人公を助けてくれた幼なじみの男の豹変ぶりもよく分からない。主人公が別の男と関係を持ったことに嫉妬したということなのだろうが、そんなあからさまなリアクションをしてしまっては逆に嘘っぽい。それに反省したかと思ったらまたすぐに手の平を返すところもサイコパス感があって、「なんなのこの人?」と引いてしまう。
暴走する男を止めるために主人公が韓国に渡り、江戸の敵を長崎「で」討つのではなく、長崎「から」討つ、みたいなラストは面白かった。だが、なんとなく合っているような気はするが、本当に主人公がそっちに行ったらそうなるのか?と疑心暗鬼になってしまうような、設定の曖昧さがある。そもそもの、主人公が怪獣との同期に気付き、法則を発見するくだりもわかりにくかった。
頑張って解釈すれば、ネットの世界で居心地の良い場所を見つけるも、些細な出来事をきっかけにこっぴどく叩かれて追放された主人公が、どれだけ無自覚に人を傷つけていたかに気付き、逃げるのを止めて戦った、という暗喩なのだろう。男の理不尽さも、ネットのリアクションだと思えば理解できなくもない。
しかしその暗喩にリアリティがなく、必然性も感じないのでだいぶしんどい。笑えるシーンもそれほど面白みが伝わって来ない。
ヒューマンドラマと怪獣映画の融合がうまくいかず、ミスマッチ感が最後まで続いてしまう映画だ。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作総指揮 ナチョ・ビガロンド
製作総指揮/出演 アン・ハサウェイ
出演 ジェイソン・サダイキス/ダン・スティーヴンス/オースティン・ストウェル/ティム・ブレイク・ネルソン
音楽 ベアー・マクレアリー
