★★★☆☆
あらすじ
走り屋の女タクシードライバーは、運転が下手すぎて免停となった刑事とコンビを組み、連続銀行強盗犯を追うことになる。
リュック・ベッソンが手掛けたフランス映画「TAXi」シリーズのハリウッドリメイク作品。原題は「Taxi」。97分。
感想
冒頭のカーアクションが始まると見せかけて、クィーン・ラティファ演じるメッセンジャーが自転車で街を縦横無尽に走り回る一連のシーンは見ごたえがあった。自転車は人が通れるところなら大抵走れるので車より自由度が高い。これでいいのでは?と少し思ってしまった。
そんな彼女が念願のタクシードライバーとなり、ひょんなことから運転が下手な刑事とコンビを組んで連続強盗犯を追うことになる。この二人の掛け合いで楽しませるコメディなのだが、オリジナルが漂わせていたそこはかとない馬鹿っぽさや締まりのないギャグといった、フランスのコメディ映画らしい雰囲気をそのまま踏襲していて、そんなに面白くない。
もはやオリジナルのストーリーはすっかり忘れてしまっているが、ドライバーは運転が上手いということでキャラが立っているのに、刑事の方は良い所なしでまるでダメなのがバランスが悪い。刑事としては優秀なのに運転だけが最悪、くらいで良かったような気がする。彼の利点は強いていうなら、面白い、なのだろうが、さして面白くないのだから仕方がない。
この刑事がドライバーのアドバイスによって運転が上手くなるエピソードにはほっこりさせられたが、これも彼が与えられるばかりで与えるものがないのはアンバランスだ。彼が与えているものがあるとしたら、それは警察の権威なのだろうが、それってどうなの?と思ってしまう。
連続強盗犯が無駄にセクシーな美女たちなのは良かった。だが彼女たちが何者なのかは結局よく分からない。カーアクションもそれほど見ごたえがなくて、盛り上がりはあまりなかった。しかし使われている音楽はいいし、楽しげな雰囲気だけはあるので、あまり頭を使いたくない時に見るにはいい映画かもしれない。
スタッフ/キャスト
監督 ティム・ストーリー
原案/製作 リュック・ベッソン
出演 クイーン・ラティファ/ジミー・ファロン/ジゼル・ブンチェン/ジェニファー・エスポジート/ヘンリー・シモンズ/アン=マーグレット/クリスチャン・ケイン/アナ・クリスティーナ・デ・オリベイラ/ジェフ・ゴードン*
*カメオ出演
音楽 クリストフ・ベック
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