★★☆☆☆
あらすじ
コンビニでバイトする若い男性に天使が付きまとい、家までやってくる。
深田恭子、永瀬正敏、永作博美ら出演。桜沢エリカの漫画原作。117分。
感想
野良猫のような天使に付きまとわれた人々の群像劇だ。天使を演じるのは深田恭子だが、一切セリフがない。おかげで「喋らないのかよ！」と定期的にツッコみたくなる映画となっている。この時点ですでにだいぶストレスがある。
客に思いを寄せるコンビニのバイト店員やいじめられてる女子高生、子持ち男性との微妙な関係に悩む女性など、何人かのエピソードが同時進行で展開される。
ただそれぞれを同じペースでじっくり丁寧に描いていくので、特に序盤は話がなかなか見えて来ず、イライラとしてしまった。導入部分はサクッと、肝心な部分は丁寧に、もっとメリハリをつけてやって欲しかった。話が分かってくるとそれなりに見られるものだっただけに、最初のモタモタぶりが勿体ない。時々雄弁になり過ぎる音楽も気になる。
天使は一度だけ、死のうとした女子高生を明確に助けたが、それ以外はただ人間のまわりをフラフラしているだけだ。劇中の登場人物たちが言っていたように、野良猫とそう変わらない。だが誰かがそばにいてくれると分かっているだけで、気持ちが救われることもある、ということなのだろう。
そういうわけで天使役の深田恭子にはまるで存在感がない。可愛さが爆発しているわけでもないので、彼女をわざわざ起用する必然性を感じなかった。せめて見せ場くらいは用意してあげて欲しかった。深田恭子の無駄遣いだ。これなら別に彼女ではなく、それこそ野良猫でも出しておけばよかった。
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ダラダラとキレなく進行する冗長な映画で、この内容なら100分くらいに収めて欲しかった。
スタッフ／キャスト
監督 宮坂まゆみ
脚本 奥寺佐渡子
出演 深田恭子／内田朝陽／永瀬正敏／永作博美／森迫永依／小出早織／佐藤めぐみ／西田尚美／鰐淵晴子／大竹佑季／小林明実／泉谷しげる
音楽 吉俣良
