★★☆☆☆
あらすじ
トラックドライバーの男は、事故で意識不明となった娘を心配する女に付き添っているうちに恋仲となる。
ニコラス・ケイジ主演。原題は「Between Worlds」。90分。
感想
とある女と付き合い始めたトラックドライバーが主人公だ。女はあの世とこの世を行き来できる能力を持っており、それを使って事故で意識不明となった娘の魂を取り戻そうとした際に、主人公に手伝ってもらった。そして二人は、それがきっかけで恋仲となった。だが彼女の能力の描写が分かりづらい。映像だけでは無理で、結局は言葉での説明が必要だった。
主人公は、女と意識を取り戻したその娘と共に暮らし始める。だが娘が主人公に色目を使い始めたことから、三人の生活はおかしくなっていく。
これは娘の体に主人公の死んだ妻の魂が入り込んでしまったからだと後で分かるのだが、はた目には主人公が母娘に手を出すゲスな男にしか見えない。娘が主人公の気を引こうと偽っているようにも思えて、半信半疑になってしまう。そもそも死んだ妻が、自分の存在を知らしめようと色仕掛けから入るのが不自然だ。まずは言葉で説明・説得しようとするのが普通だろう。
娘が死んだ妻だと気付いた主人公は、二人で再び暮らそうとする。しかし主人公は、女の特殊な能力をあっさりと信じたり、娘の言葉をそのまま受け取ったりと、ずいぶんと素直な性格をしている。何かと騙されやすそうだ。
そして主人公夫妻と、娘を取り戻そうとする女の戦いが始まる。だがその描写にはまったくリアリティが感じられない。デヴィッド・リンチ的世界を意識したようだが、雰囲気だけでまったく魂がこもっていない。白けた気分にさせられる。
Interview: Maria Pulera on Pushing Herself to New Places with "Between Worlds" - The Moveable Fest
ラストは主人公の隠された過去が明らかになるが、それが本編と何の関係があるのか、よく分からなかった。キツネにつままれたような気分になる。焦点のはっきりしない映画だ。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 マリア・プレラ
出演 ニコラス・ケイジ/フランカ・ポテンテ/ペネロープ・ミッチェル/ギャレット・クライトン/リディア・ハースト/ホッパー・ペン