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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「トパーズ」 1969

トパーズ (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 アメリカに亡命したソ連高官からキューバの情報を聞き出したCIAは、フランス人のスパイに調査確認を依頼する。

 

感想

 ロシア高官の亡命シーンやホテルでのキューバの秘密文書を入手するシーン等、一つ一つを見ればそれなりに緊迫感がある場面ばかりなのだが、全体としてみるとどこかのどかで眠たい印象を受けてしまう。

 

 おそらくはキューバ危機という一つの事件の重大さや深刻さが伝わってこないからだろう。時々、これは今何をやっているんだっけ?と目的が良く分からなくなってしまう瞬間があった。切羽詰まった感じがしない。

キューバ危機 - Wikipedia

 

 とはいえ実際の諜報活動なんてこんなものかもしれない。あとから見ればキューバ危機も危機一髪だったと感じるのかもしれないが、調査してる当時は本当かどうかわからない疑心暗鬼な状態で、ただ出来る事をやっていただけのはずだ。時限爆弾がカウントダウンしているような分かりやすい危険なんてそうそうあるはずがない。

 

 それから、どの登場人物に注目していればいいのか分かりづらい展開なのも、物語をぼんやりとしたものにしてしまっているような気がした。主人公が登場するのは映画が始まってだいぶ経ってからだし、ちょい役だと思っていた主人公の義理の息子は終盤再登場して急に重要な役割を果たしだす。重要そうに見えた人物もしばらくすると退場してしまう。

 

 

 ただこれも見方を変えれば、スパイ活動はジェームズ・ボンドのようなスーパーマンが一人でやっているわけではなく、様々な場所で様々な人間がそれぞれの仕事をしているということを表している。そういった意味ではこれもまたリアルなのかもしれない。そしてそれは様々な場所でドラマを生む。主人公はセリフ回しの役どころといったところか。

 

 そんな数々の登場する人物の中では、記者を装ってキューバ政府の人間が泊まるホテルに潜入した黒人スパイが良かった。短い時間で大きな仕事を余裕しゃくしゃくでやってのけ、ジェームズ・ボンド感があってカッコ良かった。

 

 世界を股にかけてなんだかんだあって結局は主人公の国、フランス内部の問題に行き着くのかと思わないでもないが、この国内問題が冷戦に大きな影響を与える大きな国際問題となっていたということか。最後は妙にあっさりとしていた。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作

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出演 フレデリック・スタフォード/ジョン・ヴァーノン/ミシェル・ピコリ/ダニー・ロバン/カリン・ドール/クロード・ジャド/フィリップ・ノワレ/ミシェル・シュボール/ジョン・フォーサイス
 

トパーズ (字幕版)

トパーズ (字幕版)

  • 発売日: 2014/02/01
  • メディア: Prime Video
 

トパーズ (1969年の映画) - Wikipedia

 

 

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