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「トラック野郎・爆走一番星」 1975

トラック野郎 爆走一番星

★★★☆☆

 

あらすじ

 結婚を意識し始めたデコトラの運転手は、馴染みの食堂で最近働き始めたアルバイトの女子大生に一目惚れする。「トラック野郎」シリーズ第2作。

 

感想

 序盤からエロ話や汚い話の下ネタが連続し、いきなりうんざりしてしまった。だが分かりやすいネタなので、大衆向け娯楽映画としてはこれが正解なのだろう。最近はあまりこういうベタベタなギャグを連発する映画はないような気がするが、大衆が進歩したのか、世の中が変わっただけなのか、あるいはどこかでまだひっそりと存在しているのか、どれなのだろう。

 

 全体を貫くストーリーがあるわけではなく、いくつかのエピソードが積み重ねられていく構成だ。それぞれの話になんとなくのつながりはあるが、全体としてみると話があちこちに行ったり来たりする散漫な印象を与える映画になってしまっている。

 

 

 だからこの映画は物語よりも主人公らのキャラクターやその生態を楽しむためのものかもしれない。主演の菅原文太は、融通の利かない怖そうな顔をしながらコミカルなシーンをやってのけるのが面白い。強面のまま戸惑ったりする様子は愛嬌があり、人気になるのも頷ける。

 

 たくさんあると思っていた、主人公らがトラック野郎として活躍するシーンが、終了間際のほんの10分程度しかなかったのにはいささか拍子抜けしてしまった。だが、彼らが活躍するとは警察を出し抜いたり、取り締まりを妨害したりすることなので、自然と「反権力」の行為になるのは興味深い。権力に逆らうことが、大衆娯楽のひとつであることを示している。

 

 しかし今は、しがない庶民の一人にしか過ぎないくせになぜだか権力者目線で物事を語る人が多いので、この映画も、警察の邪魔をしている!などと叩かれるのかな、と思ったりした。今は反権力よりも庶民同士で叩きあうのが娯楽なのかもしれない。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 鈴木則文

 

脚本 澤井信一郎

 

出演 菅原文太/愛川欽也/あべ静江/春川ますみ/加茂さくら/研ナオコ/夏八木勲/織本順吉/山城新伍/田中邦衛/なべおさみ/山城新伍/由利徹/笑福亭鶴光/ラビット関根(関根勤)/大泉滉/小林稔侍

 

音楽 木下忠司

 

トラック野郎・爆走一番星 - Wikipedia

【祝!東映オンデマンド サービス開始】トラック野郎 爆走一番星[公式] - YouTube

 

 

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