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「唄う六人の女」 2023

唄う六人の女

★☆☆☆☆

 

あらすじ

 母親と離婚して以来、疎遠だった父親が死に、財産処分のために田舎の山奥にやって来た男は、土地を買い取った男と共に、ミステリアスな女たちが暮らす謎の村に迷い込む。

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 山田孝之、竹野内豊、水川あさみら出演。112分。

 

感想

 その死に何の感慨もわかないほど、疎遠だった父親が遺した土地を処分するため、山奥の村にやって来た男が主人公だ。あっさりと売買契約を終え、買主の男に駅まで送ってもらう途中で交通事故に遭う。そして、目覚めるとミステリアスな女たちの暮らす謎の村にいた。

 

 主人公らは軟禁状態に置かれ、彼女たちとの奇妙な暮らしが始まる。最初に目覚めた時、主人公は手を縄で縛られていたのだが、リアクションが薄かったのが気になった。シュールな世界が始まる大事な導入部分なのに、いきなり躓いてしまった形だ。もう一人の山田孝之演じる開発業者が良いリアクションを見せていただけに、余計にひっかかる。

 

 

 六人の女たちは一言も喋らない。謎めいた雰囲気を醸し出そうとしたのだろうが、逆にそれぞれのキャラクターがぼんやりとしてしまった。ピシピシと主人公を叩いて追い立てる水川あさみ演じる女がちょっと面白かった程度で、他の女たちは思い出せないくらい印象が薄い。これでは六人も必要なかったのでは?と思ってしまう。

 

 会話がないので彼女たちの意図も分からず、かといって村からも出られず、主人公たちは当惑しながら仕方なく暮らしている。見ている側も当然、話の方向性が見えないのだが、ここは美しい女たちの幻想的な映像美で魅せようということなのだろう。しかし、映像がそれほど大したことがないのが残念だ。普通、六人もモデルのような女優が出ていたらそれだけで満足できてしまうところがあるのだが、余計なことをして台無しにしている。

 

 何とか脱出しようと必死に抗う開発業者の男とは対照的に、主人公は次第に村での生活を受け入れ馴染んでいく。女たちは自然界の妖精みたいなもので、調和して生きていくことの大切さを知ったのだろう。描き方はともかく意図は分かり、さてこれからどうなっていくのかと思ったら、いきなり「核廃棄物処理場反対!」みたいなことを条件反射的に言い出して、ズッコケてしまった。

 

 そもそも主人公は、山奥の土地に何の思い入れもなく、何に使われるのかすら気にすることなく売り払ったくせに、自然の大切さを知ったとはいえ、ほんの数日で急にそんなことを言い出すのはさすがに身勝手に映る。父親との過去を思い出したせいもあるのだが、そんなことをすっかり忘れていたのも嘘っぽくて、全体的に何も考えていない軽薄な印象を受けてしまう。

 

 そして、自然の大切さを訴えるために、唐突に核廃棄物処理場を持ち出してくるのが何よりも安易で薄っぺらい。確かに原発は色々と問題があるが、「もののけ姫」で突然、アシタカが急に「原発反対!」と叫ぶか?という話だ。それに、「そんなものをここに作るなんて…」と怒っていたが、じゃあ一体どこに作ったら皆が納得するのかという話でもある。

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 とにかく浅はかさが目立ち、それまで無関心だったくせに、近所に作るとなったら反対運動を始めちゃうような、震災で原発はこりごりと言っていたくせに、時間が経ったら考えるのが面倒くさくなって、やっぱり原発でいいやとなっちゃうような、気まぐれな大衆を実はディスっているのかとすら勘繰ってしまう。

原発再稼働、賛成51% 震災後初めて賛否が逆転 朝日新聞世論調査:朝日新聞

 

 六人の女を活かせず、最終的には、各地の反対運動を皮肉って封じるためのネガティブキャンペーンみたいになってしまった映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 石橋義正

 

脚本 大谷洋介

 

出演

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竹野内豊/水川あさみ/アオイヤマダ/服部樹咲/萩原みのり/桃果/武田玲奈/竹中直人/ 大西信満/津田寛治/白川和子

 

音楽 加藤賢二/坂本秀一

 

撮影 髙橋祐太

 

唄う六人の女

唄う六人の女 - Wikipedia

 

 

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