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「(本)噂のストリッパー」 1982

(本)噂のストリッパー

★★★☆☆

 

あらすじ

 場末のストリッパーに一目ぼれした若者。

 

感想

 森田芳光監督の第3作目。この監督は「家族ゲーム」やそれにまつわる逸話の印象が強くて、作家性の強い作品ばかりを撮っているのかと思っていたが、落語家を題材にしたデビュー作の後、アイドル映画を撮り、その次はこの日活ロマンポルノと、節操のない感じで撮っている。あまりこだわりはなく撮っているのかと意外な気がした。でも、どんな映画でもそつなくこなせる監督は日本では特に重宝がられそうなので、大事なことなのかもしれない。下手に尖っていたら、よっぽどの才能がない限りすぐに消えてしまいそうだ。

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 場末のストリップ小屋の日常や人間模様を描いた作品。しかし場末と言っても、想像するような淫靡な場所ではなく、うら寂しい住宅街に突然派手なストリップ小屋が建っているのでちょっと驚く。こんな所ではやっていけないのではないかと思ってしまうが、舞台となった「浦安劇場」は当時実在していた劇場なのだそうだ。昔の日本はこうやって日常と非日常が混在していることが多かったような気がする。今風に言えば、ゾーニングが出来ていないという事になるのだろうが。

 

 この劇場のストリッパーに恋をした青年の話がメインストーリーとなるが、映画的にはそれよりも、この手の映画の本来の目的を果たすために力が注がれている。その点では観客が満足できる内容になっているはずだ。それから今ではほとんど見かけなくなったストリップ小屋の中では一体何が行われていたのか、それを知ることが出来るという意味でも興味深い内容となっている。

 

 

 青年の恋については、映画の体裁を整えるために最初と最後に少し描かれるといった程度。そんな中で、ストリッパーに相手にされない主人公が別の女性に手を出して、そのストリッパーの名前を名乗ったのはよく分からなかった。別の女性といても彼女の事を忘れないためだったのか。映画は唐突にエンディングを迎えて呆気にとられてしまったが、一つの恋が終わったという事なのだろう。しかしあんな事までしたのに結局恋は始まりもしなかったというわけで、逆に哀しみは深いのかもしれない。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本

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出演 岡本かおり/三崎奈美/宮脇康之/金田明夫

 

(本)噂のストリッパー - Wikipedia

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