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「ビジランテ」 2017

ビジランテ

★★★★☆

 

あらすじ

 横暴だった父親が死んだ後、三人兄弟に遺産の土地をめぐる問題が発生する。

 

感想

 父親の遺産をめぐって、三人兄弟が骨肉の争いを繰り広げるのかと思っていたが、そういうわけではなかった。ある意味ではそうと言えなくもないのだろうが、直接兄弟で戦うわけではない。市会議員の次男と地元ヤクザとつながった風俗店店長の三男、父の死をきっかけに30年ぶりに戻って来た長男、三人の物語。

 

 土地をめぐる問題や外国人居住者たちとの軋轢、やくざ同士のいざこざなど、地方都市の様々な問題や暗部が描かれる。だけどそこに警察の存在感が希薄なのが怖い。すべては土地の独自ルールに基づいて処理されていく。タイトルの「ビジランテ」は自警団という意味だが、まさにその通りで、法律ではなく住んでいる者たちのルールで決められていく。ここでは、警察もそのための一つの駒に過ぎない。

 

 

 三人の兄弟はそんな田舎に対する様々な姿勢を表していると言える。田舎の独自ルールに則ってそこで上を目指す次男。小さな世界を守りながら惰性で生きる三男。大嫌いだと出て行きながらも戻ってきてしまう長男。共通するのは土地の呪縛からは逃れられないという事だろうか。

 

 子供の頃に三人が越えようとした川は、そんな田舎の内と外を分ける境界線を示している。そしてナイフは、その内側で生き残るための武器、外側からやって来る者を追い払うための武器だったと言えるかもしれない。

 

 三人の中では、大きな流れには関与せず、自分だけの世界を守っていこうとする桐谷健太演じる三男の姿がダントツでカッコいいのだが、田舎で生きていくには鈴木浩介演じる次男の生き方が正解なのだろう。少し気の弱い彼を陰で操る篠田麻里子演じる妻も、のちに田舎に居がちな地方を牛耳る強欲女になりそうで面白かったが、もうちょっと悪い所を見たかった。権謀術数をめぐらして田舎の親玉たちを手玉に取り、悪い顔してニヤリとするところとか。

 

 深いテーマが込められているとは思うが、だからと言って小難しくならずに、単純に田舎の殺伐とした人間模様や不穏なやさぐれた空気感が面白くて楽しめた。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 入江悠

 

出演 大森南朋/鈴木浩介/桐谷健太/篠田麻里子/嶋田久作/間宮夕貴/般若/岡村いずみ/菅田俊/坂田聡

 

ビジランテ

ビジランテ

  • 発売日: 2018/04/18
  • メディア: Prime Video
 

ビジランテ (映画) - Wikipedia

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