★★☆☆☆
あらすじ
ダートトラックレースのチームを率いる元チャンピオンレーサーは、チームドライバーの息子に、ライバルチームに移籍すると告げられる。
ジョン・トラボルタ、マイケル・マドセン、シャナイア・トウェインら出演。原題は「Trading Paint」。87分。
感想
元チャンピオンレーサーで、今はレーシングチームを率いる男が主人公だ。チームドライバーの息子が、マシントラブルでなかなか勝てないことに苛立ち、現チャンピオン率いるライバルチームに移籍してしまったことから物語が始まる。
息子が相談なく決断したことや、悪い奴である現チャンピオンの元に行くことに怒る主人公は、チームの勝利にさらなる闘志を燃やす。だが不在となったドライバーはどうするのだ?と思っていたら、主人公自身が現役復帰して対応するのは驚いた。ただ、マイケル・マドセン演じる現チャンピオンが主人公と同年代だったので、ボクシングなどの他のスポーツで高齢の人間が現役復帰するほどの違和感はなかった。
何もかもをタイトに研ぎ澄ませて戦うF1ならいざ知らず、ワイルドなダートトラックレースでは、ドライバーの許容範囲が広いのだろう。そう思っていたら85歳のドライバーが登場して、主人公の復帰なんて大したことないのだなと、わずかに残っていた疑念があっという間に消え失せた。
かつて悲しい事故で妻を失った主人公の哀しみと再生、息子との確執と和解、現チャンピオンとの対立、レースの危険と興奮、激しいチャンピオン争いと、ドラマに満ちた展開だ。しかし、そのどれもが中途半端で酷い。ありがちなエピソードは詰め込んだが、ちゃんと描こうとする気はさらさらない、といった感じの展開が続く。描き方が酷いのではなく、そもそも描く意思が感じられない。
そんな中では唯一、主人公と友人のエピソードは良かった。それ以外のエピソードは、それらしく始まるも有耶無耶になってどこかに行ってしまうことの連続だ。何も心動かされることがない。見ているうちに段々と無の境地に近づいてしまい、危うく悟りを開きそうになるほどだった。
クライマックスは、レースで勝利を収めるシーンだ。ノリの良い音楽で盛り上げる定番の演出が行なわれるが、その音楽の入れ方が、どこかで誰かがかけている音楽が混線してしまったのか?と不安になるような不自然さだった。なんだこれ?と困惑した状態で終わってしまったが、全体の感想も大体そんな感じの映画だ。
スタッフ/キャスト
監督 カールサン・カーデル
脚本 ゲイリー・ジェラーニ/クレイグ_R_ウェルチ
製作/出演 ジョン・トラボルタ
出演 シャナイア・トゥエイン/トビー・セバスチャン/ロザベル・ラウレンティ・セラーズ/マイケル・マドセン/ケビン・ダン

