★★★☆☆
あらすじ
馬泥棒の追跡中に相棒を殺されてしまった男は、復讐のために旅立つ。
ビル・プルマン、キャシー・カヴィーゼル、ピーター・フォンダら出演の西部劇。原題は「The Ballad of Lefty Brown」。111分。
感想
皆の尊敬を集め、議員にまでなった相棒とは裏腹に、仲間に軽んじられる男が主人公だ。馬泥棒の追跡中に殺された相棒の復讐を誓い、旅立つ。
しかし、相棒を殺され、落ち込んで帰ってきた主人公が、追い打ちをかけられるように相棒の妻になじられるのは辛かった。彼女が、やり場のない悲しみを誰かにぶつけたくなる気持ちは分からなくもない。それでも普通は自制するものなのに、我慢できず、つい主人公にそれを言ってしまうということは、彼女が主人公をどう見ているのかがよく分かる。
ところで、相棒の夫婦がすでにかなりの年齢にもかかわらず、仲睦まじいのは微笑ましかった。夫が帰ってきた気配に気づき、妻がソワソワして鏡の前で髪型や服装を整えるシーンは可愛らしい。それだけに、夫の死は余計ショックだったのだろう。
単身で復讐に旅立った主人公だったが、道中で半人前の少年を拾い、さらには昔の友人が仲間に加わる。広大な荒野の風景やワイルドで乾いた空気感とも相まって、西部劇らしい雰囲気が満ちている。ついに見つけた復讐相手との銃撃戦も激しく、ワクワクさせられた。
かなり早い段階で復讐相手を捕えてしまったが、そこで相棒の死には陰謀があったことが判明する。この陰謀の事実は、まず友人、続いて主人公、最後に相棒の妻へと、時間差で伝わっていく。そうすることで、それぞれの物語を展開しやすくしたのだろうが、それまでのテンポの良い進行が失われ、中だるみ感が出てしまった。驚きの事実を知ってからクライマックスまでは、一気に展開した方が効果的だったかもしれない。
ビル・プルマン演じる主人公は、だらだらと喋り、人の話を聞かない独りよがりな感じがよく出ていて、周囲に軽んじられるのも分かるようなキャラクターになっている。だが、物語を通して、決してスマートではないが、揺らぐことのない信念と諦めないしぶとさを持った侮れないキャラであることが浮かび上がってくる。厳しい世界でここまで生き残ってきただけのことはあり、相棒から信頼されていたことも理解できる。
ただ、中だるみの時間帯に、周囲の人間が感じているだろうものと同じ鬱陶しさを、観客も味わうようになってしまうのは残念だ。それに、結末も綺麗にまとまりすぎて、普通の西部劇のヒーローもののようになってしまった感がある。そこは、もっと彼らしい決着の付け方を見せて欲しかった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 ジャレッド・モシェ
出演 ビル・プルマン/キャシー・ベイカー/ジム・カヴィーゼル/ジョー・アンダーソン/トミー・フラナガン/ピーター・フォンダ
