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「容疑者X 天才数学者のアリバイ」 2012

容疑者X 天才数学者のアリバイ (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 恋心を寄せるアパートの隣人の女性が、事故で元夫を殺してしまった事を知り、彼女を助けるために一計を案じる数学教師の男。韓国映画。

 

感想

 ある程度の事件のあらましは最初に見せておいて、隠蔽のために様々な工作を施した主人公が、この殺人事件をどのように終わらせようとしているのか、その意図を明らかにしていくストーリー。事件の謎を解くというよりも、隣人の女性に対する主人公の想いを描くことに力点が置かれている。

 

 そのせいなのか、事件解明のための道筋はあまり詳しく説明されず、ただ女性のアリバイを崩す事だけが描かれ続ける。たとえ彼女のアリバイを崩したところで、どうやって死体を短時間で運ぶことが出来たかなどの謎が残っており、そのボトルネックを解消しなければ解決とならないのに、それについてはあまり触れられない。だから、刑事が彼女に標的を定めて執拗に付きまとう姿に違和感を感じてしまう。もはや嫌がらせなのでは、と思ってしまうほどだった。

 

 

 そして、そのボトルネックについての説明がほぼなかったので、最後にその種明かしをされたところで全然驚くことはなく、あ、そうなの?くらいのリアクションしかできなかった。そもそも、それまでそんな事を気にもしていなかった。このミステリー部分が希薄だったので、主人公は何をするつもりなのかという事くらいしか見るポイントがなく、少々退屈だった。

 

 エンディングは確かに主人公の覚悟にグッとくるものがあったが、全体的には陰気で重苦しい展開が続き、観ているだけでかなり疲れた。間が持たずに長く感じてしまい、感動のラストもどちらかと言うと、ようやく終わるなと安堵する気持ちの方が強かった。ただ、味気ない生活を送っていた主人公なので、余計なことを考えなくて済む分だけ、刑務所の中の方が充実した日々を過ごせて幸せなのかも、と思ったりはした。死刑にならなければ、だが。

 

スタッフ/キャスト

監督 パン・ウンジン

 

出演 リュ・スンボム/イ・ヨウォン/チョ・ジヌン/キム・ユンソン/グァク・ミンホ

 

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