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「続悪名」 1961

続・悪名

★★★☆☆

 

あらすじ

 ヤクザな稼業から足を洗い、妻と共にカタギとして生きていこうとしていた主人公だが、とある親分に見込まれて組を任されてしまう。シリーズ第2作。

 

感想

 前作から一年も経たずに作られた続編で、内容も前作を踏まえたものになっている。正直なところ前作の内容をほぼ忘れてしまっていたので、細かい部分でよく分からないところがあった。一応、後から前作のあらすじを確認したのでなんとか思い出し、おおよそのことは把握できた。

 

 勝手気ままにやってきた主人公がカタギになろうとするも、逆にヤクザの組を任されてしまう物語だ。曲がったことが大嫌いで、頼まれたら断れない男気のある主人公が、結局金だけがモノをいうヤクザの世界で苦労する様子が描かれる。

 

 

 カタルシスを得られるような胸をすくシーンはほぼ無く、世知辛い世の中で四苦八苦する主人公の悲哀ばかりが伝わってくる。これでは世渡りに苦労するサラリーマンを見ているのとあまり変わらない。最後も、国の戦争をヤクザの縄張り争いになぞらえてみたりして、なんとなく虚しさが漂う物語だ。

 

 いまいちこのシリーズが全16作も作られるほどの人気になった理由がよく分からないのだが、人間臭さの感じられる人情話としてウケたのだろうか。切った張ったの典型的なやくざものではなく、ヤクザ界の寅さん映画だと思えば良いのかもしれない。

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 主人公らが話す河内弁が相変わらず聞き取りづらくて辛かったが、このコテコテ感はクセになると言えばなるかもしれない。主人公の弟分を演じる田宮二郎が、いかにもな関西人といった感じでいい味を出している。それからエンディング前に、彼が雨の中を奥さんと相合傘で出かけた時の一連のシーンは、映画的雰囲気に満ちていてグッときた。

 

スタッフ/キャスト

監督 田中徳三

 

原作 悪名 (新潮文庫 こ 5-3)

 

出演 勝新太郎/田宮二郎/中村玉緒/水谷良重/藤原礼子/浪花千栄子/中村鴈治郎/上田吉二郎/羅門光三郎/小松みどり

 

続・悪名

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