★★★☆☆
あらすじ
ゾンビだらけの世界を生き延びてきた男は、出ていった恋人の妹を探すため、仲間と共に旅に出る。
ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、エマ・ストーンら出演。シリーズ第2作。99分。
感想
前作から10年後に作られた続編だ。当然ながらキャストも10年分の歳を取っているわけだが、メインの4人の中ではやはり、姉妹の妹役アビゲイル・ブレスリンの変貌ぶりが目立つ。設定上は11歳から21歳になり、少女から完全に大人の女となっている。成長した子供が実家を出たくなるようなもので、彼女が出会った男と駆け落ちしたのも納得できる。主人公の相棒が、彼女の父親みたいになっていたのも意外だったが可笑しみがある。
ただ、それまで彼らが本拠地にしていたホワイトハウスでの暮らしぶりは、楽しげだった。由緒ある建物に眠る歴代大統領ゆかりの品々や文化遺産を、雑に扱い遊んでいる。ある意味でアメリカの権威を軽んじ、愚弄しているとも言えるので、保守層が激怒しそうな内容ではあるが、よく考えれば、現大統領も似たようなことをやっていたりする。しかも、それを支持しているのが保守層なので、もはやよく分からない。
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まず、主人公と付き合う姉が気まずくなって妹と出ていき、そこで妹が男と出会い駆け落ちした。その後、いったん戻ってきた姉と共に、主人公と相棒が妹を探す旅に出る。主人公の浮気現場に恋人が戻ってきてしまう気まずい展開は笑いを誘う。そして、この浮気相手も旅の仲間に加わる。彼女は頭の悪いキャラで、最初はイライラさせるようなところもあったのだが、段々と慣れてきて、その突き抜けた馬鹿っぷりが面白くなってきた。
ただ、彼女が馬鹿なのは、ゾンビで世界が荒廃して学校に行けなかったから、という背景があるので、考えさせられるものがある。この映画公開の数か月後、現実世界ではコロナ禍が発生し、学生生活を異常事態で過ごした世代が生まれたわけだが、それを予見しているようでもある。彼らがどんな影響を受け、それが社会にどんな影響を与えているのかと気になってしまう。
主人公らが妹を探して向かう先は、エルヴィス・プレスリーの聖地、グレイスランドだ。そのチョイスが子供っぽいというか、安易な発想だが、その馬鹿らしさが憎めない。主人公コンビそっくりのコンビが現れて、軽妙なやり取りを繰り広げるのも面白い。今回もコメディ部分はコンスタントに笑いを取って楽しませてくれる。サクサクと進むテンポも良くて、最後まで飽きさせない。
妹カップルがグレイスランドの次に向かったのは、平和主義者たちが暮らす「バビロン」だ。主人公らもそこへ向かい、ついに妹と再会するのだが、そこに恐ろしい新型のゾンビが襲来し、迎え撃つのがクライマックスとなる。武器の所持を禁じる場所での戦いで、どうやって戦うの?と今度はリベラル層をからかっているようでもある。ただ、彼らも壁を築き、出入りをチェックするなどそれなりの対策はしており、単なる無邪気な理想主義者というわけではないだろう。
今回はわりと真面目にゾンビと戦う。絶体絶命のピンチがあり、危機一髪の脱出があり、ハラハラドキドキさせられた。追いかけてくる大量のゾンビを奈落の底へ落とすクライマックスも爽快で、武器のない中での戦いは見ごたえたっぷりだった。そして、それも悪くないけどやっぱり自分たちは違うわと去っていく一同の姿に、不思議な幸福感が漂う。
程よくコメディとゾンビホラーが融合し、前作同様に気軽に楽しめるエンタメ作品となっている。
スタッフ/キャスト
監督/製作総指揮 ルーベン・フライシャー
脚本/製作総指揮 レット・リース/ポール・ワーニック
脚本 デヴィッド・キャラハム
出演 ウディ・ハレルソン/ジェシー・アイゼンバーグ/エマ・ストーン/アビゲイル・ブレスリン/ロザリオ・ドーソン/ゾーイ・ドゥイッチ/アヴァン・ジョーギア/トーマス・ミドルディッチ/ビル・マーレイ
音楽 デヴィッド・サーディ
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