「桜田門外ノ変」　2010

★★★☆☆

あらすじ

　桜田門外の変で井伊直弼を討ち取った志士たちのその後。

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感想

　桜田門外の変は、イメージでは単発で、後の維新の動きとはつながりがないように思っていたのだが、こういう風に後につながっていったのかと知った。そもそもこの事件は薩摩藩と連動して京でも事を起こし、一気に討幕へと突き進むという予定だった。幕末はこういう各藩の足並みが揃わないことが多い。どこかで倒幕の機運が高まっても、別のどこかは慎重になってしまっている。

　クライマックスともいえる井伊直弼を討ち取るシーンは序盤に行われる。実際そうだったのかもしれないが、事件の時、大雪の中であんなに大勢の人が突っ立っていたら不自然すぎる。門番とか立っていなかったのだろうか。

　事件のあとは、追手から逃れながら各藩に討幕を働き掛けていく。不自然に挿入された鳥取藩での武芸の達人との決闘のシーンはまるでコントのようだった。あれは必要だったのだろうか。その後は結構雑な展開だ。かと思えば捕縛された者が刑場に向かうシーンは妙に丁寧に撮ったりしている。結局何を描きたかったのだろうか。井伊直弼を斬るに至った経緯も大ざっぱだ。

　当事者たちは次々と捕まり、やがて主演の大沢たかお演じる男も捕まってしまう。どうせなら最後まで逃げおおせて欲しかった。それにしても当時の幕府の警察能力は高かった。全国に散らばった者たちをほぼ全員捕えている。その裏で関係ない人たちもたくさん死なされているのだろうが。