★★☆☆☆
あらすじ
「忠臣蔵」で知られる赤穂浪士たちの吉良邸討ち入り。129分。
感想
ご存知、忠臣蔵、という感じで語られることが多いが、今の日本人のどれくらいがこの話を詳しく知っているのだろうか?自分はなんとなく知っているという程度で、年寄りはともかく、若い人は知らないのではないだろうか。別に学校の授業で事細かく習うわけでもない。
どうもこの映画は、当然知ってるよね、という前提で作られている気がする。いろいろエピソードはあるけど、いちいち全部描きませんよと。この映画で必要のない事は端折っていきますよと。
だから、いわゆる忠臣蔵を初めてまともに見る身としてはかなり戸惑う。藩取り潰しになった時に動揺はなかったのかとか、藩主がなぜ吉良を斬ろうとしたのか知りたくはなかったのかとか、なんで当然のように吉良を斬ることになっているのかとか。
そして少しは知っているものだから「昼行灯」のくだりはやらないのかとか、自分の忠臣蔵の知識に不安になってしまう。そんな状態なので、高倉健は無駄にモテすぎだとか、若い頃の宮沢りえはふくよかでなんだか気持ち悪いなとか、どうでもいい事まで気になってしまう。
しかし、理由もわからず吉良を斬るという発想はすごい。被害者にさらにとどめをさそうとしているわけだから、そう考えると別に美談ではない。でも本人たちにしたら、藩主は幕府の法を犯してまで吉良を殺そうとしたのだから、それ相当の理由があったはず、藩主のその決意を自分たちが完遂しなければならないと思ったのだろう。そう考えると納得できなくはない。
見ている側のいろんな疑問を全て置き去りに、最後まで突っ切ってしまう潔さは確かにあるのだが、正直全然ついて行けなかった。きっとベタな忠臣蔵の物語を5本くらい見たあとに見るべき映画なのだろう。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 市川崑
脚本 池上金男/竹山洋
出演
宮沢りえ/岩城滉一/宇崎竜童/松村達雄/井川比佐志/神山繁/清水美沙/古手川祐子/石倉三郎/石橋蓮司/尾藤イサオ/橋爪淳/佐藤B作/横山道代/小林昭二/今井雅之/西村晃/大土井裕二/小林稔侍/板東英二/中村敦夫/石坂浩二/浅丘ルリ子/森繁久彌
登場する人物
大石内蔵助(大石良雄)/色部又四郎(色部安長)/かる(お軽)/不破数右衛門(不破正種)/堀部安兵衛(堀部武庸)/堀部弥兵衛(堀部金丸)/奥田孫太夫(奥田重盛)/吉田忠左衛門(吉田兼亮)/小野寺十内(小野寺秀和)/ほり(堀部ほり)/瑤泉院/瀬尾孫左衛門/小林平八郎/山添新八(山吉盛侍)/浅野内匠頭(浅野長矩)/大石主税(大石良金)/大野九郎兵衛(大野知房)/土屋相模守(土屋政直)/秋元但馬守(秋元喬知)/高田郡兵衛/神崎与五郎(神崎則休)/吉良上野介(吉良義央)/磯貝十郎左衛門(礒貝正久)/武林唯七(武林隆重)/潮田又之丞(潮田高教)/前原伊助(前原宗房)/赤埴源蔵(赤埴重賢)/大高源五(大高忠雄)/富森助右衛門(富森正因)/早水勝左衛門(早水満尭)/近松勘六(近松行重)/片岡源五右衛門(片岡高房)/岡島八十右衛門(岡島常樹)/杉野十平次(杉野次房)/奥野将監(奥野定良)/萱野三平(萱野重実)/寺坂吉右衛門(寺坂信行)/岡野金右衛門(岡野包秀)/吉千代(大石吉之進)/進藤源四郎(進藤俊式)/天川屋儀兵衛(天野屋利兵衛)/原惣右衛門(原元辰)/柳沢吉保/りく(香林院)/千坂兵部(千坂高房)

