BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学」 2019

★★★★☆ 内容 香港・チョンキンマンションで怪しい商売をして暮らす東アフリカのタンザニア人たち。彼らの生活に密着し、そこから見えてきた独特の考え方や独自のシステムを紹介する。 感想 天然石や中古車等の輸出入業から売春などの裏稼業まで、様々な商売を…

「東京自叙伝」 2014

★★★★☆ あらすじ 明治維新から現代にいたる各時代に、東京の地霊が憑依した人物たちの物語。 感想 明治維新から現代にいたるまでの東京・日本の歴史が、時代ごとに6人の人物の目を通して描かれていく。東京の地霊が彼らに順に乗り移っているという設定で、彼…

「大人のための昭和史入門」 2015

★★★☆☆ 内容 昭和史の主な出来事を、最新の研究に基づいて読み解いていく。 感想 タイトルには「大人のための」とあるが、大人なら常識的に持ってるはずの知識を前提に、という意味なら、その前提となる歴史知識が深すぎるような気がする。単純に自分が大人の…

「侍女の物語」 1985

★★★★☆ あらすじ 宗教国家となった近未来のアメリカで、支配者層の子どもを産む道具として生きる事になっていまった女性。 感想 タイトルからどことなく中世ヨーロッパの貴族社会を描いた物語なのかと想像していたが、近未来のディストピア社会を描いたSF小説…

「ディス・イズ・アメリカ 「トランプ時代」のポップミュージック」 2020

★★★★☆ 内容 2010年代後半の各グラミー賞授賞式のトピックを紹介しながら、アメリカ社会の政治と音楽のつながりを読み解いていく。ラジオ番組の内容を再構成したもの。 感想 グラミー賞授賞式の出席者たちの政治的言動や社会的メッセージを通して、アメリカ社…

「読書は格闘技」 2016

★★★★☆ 内容 「読書は格闘技」と唱える著者の読書の実践方法を紹介する。 感想 「正義」「時間管理術」「グローバリゼーション」など、各テーマごとに様々な本を紹介しつつ、著書がそれらの本との「格闘」の結果得られた知見や考察などが語られていく。たくさ…

「ウンコな議論」 2005

★★★★☆ 内容 日々様々な場所で繰り広げられている「ウンコな議論」。その中身について考察する。原題は「On Bullshit」。 感想 まずこの本の邦題がよくないよなと思ってしまう。たとえ中身が頷けるものだったとしても、日常の会話の中でこの本の名前を言い出…

「アジアンタムブルー」 2002

★★★★☆ あらすじ 恋人を失った悲しみから立ち直れない男。 感想 恋人を失った悲しみに打ちひしがれ、仕事にも行かずデパートの屋上で時間を潰す日々を繰り返す主人公。 そこで頭をよぎっているのは恋人との思い出だけでなく、これまでの人生の様々な出来事だ…

「地球星人」 2018

★★★★★ あらすじ 幼い頃につらい思いをし、社会にうまく適合できない女。 感想 物語は主人公の幼少期から始まる。母親や姉から邪険な扱いを受け、周囲を窺いながらびくびくして生きる主人公。最初は母親の行き過ぎた愛情が歪んだ形となって表れてしまっている…

「グロースハッカー」 2013

★★★★☆ 内容 見込み客を集めるだけでなく、製品・サービスの開発からその後の成長までに関わっていく新しマーケティングのスタイル「グロース・ハック」について紹介する。 感想 大々的な予算を使って有名人を招待して派手な発表会を行い、皆の注目を集め宣伝…

「セールスマンの死」 1949

★★★☆☆ あらすじ 仕事や家族の事で多くの問題を抱えたセールスマンの男。戯曲。 感想 疲れ果てたセールスマンの物語。仕事で結果を出せず、旅回りにも疲れ果てた男。しかも成人した息子たちは親を安心させるような職業についておらず、心労はたまるばかり。そ…

「本の読み方 スロー・リーディングの実践」 2006

★★★★☆ 内容 本をじっくりと読んで堪能する読書法の紹介。 感想 速読がすごいとは思ってはいないのだが、自分もどちらかというと本を読み飛ばしてしまいがち。なのでスローリーディングを提唱する本書はなかなか興味深かった。中でも心に残ったのは「「辞書癖…

「サルなりに思い出す事など 神経科学者がヒヒと暮らした奇天烈な日々」 2002

★★★★☆ 内容 ヒヒを観察するためにアフリカにやって来た神経科学者の回想記。 感想 まずこの2度見せずにいられないタイトルがいい。原題は「A Primate's Memoir(霊長類の回想録 )」なので大体あってるし。え、サル?どういうこと?と思わず手に取りたくな…

「ホット・ロック」 1970

★★★★☆ あらすじ 外国大使から独立時に失った国の宝を取り戻すよう依頼された犯罪者たち。ドートマンダー・シリーズ第1作目。 感想 アメリカで行われている展覧会に出展されたエメラルドを盗み出すよう依頼された主人公たち。軽妙な会話やユーモアを交えなが…

「抹香町・路傍」 1997

★★★★☆ 内容 私娼窟・抹香町へ通う初老の独身男を描いた「抹香町」などを収録した短編集。 感想 著者の青年期から老年期までの各年代が描かれた私小説の短編が並んでいる。今までこの著者・川崎長太郎の作品は読んだことがなく、年甲斐もなく欲望に振り回され…

「「バカ」の研究」 2020

★★★★☆ 内容 心理学、行動経済学、哲学、人類学など、各界を代表する知識人たちによる「バカ」の考察。原書はフランスで出版された。 感想 タイトルからして刺激的だが、全編にわたって何度も「バカ」という言葉が登場してなかなか壮観。特に冒頭の編者による…

「湖畔の愛」 2018

★★★★☆ あらすじ 主人公が勤める湖畔のホテルで巻き起こる数々の騒動。 感想 巻末の解説で吉本新喜劇的と評されていたが、確かにあの舞台でやっていそうな物語である。同じ設定、同じキャラで繰り広げられる物語。抱腹絶倒というわけではないが、それなりに笑…

「昭和の犬」 2013

★★★☆☆ あらすじ 戦後に生まれた女性の犬との関わりを中心とした半生。直木賞受賞作。 感想 一匹の犬と飼い主の関係を描いた物語ではなく、その時々に主人公の身近にいた毎回違う犬との話が描かれていく。それは家で飼っている犬だったり、近所や下宿先で飼わ…

「見えない暗闇」 1995

★★★★☆ あらすじ 妻の浮気相手に暴力を振るい、殺してしまったかもしれないと怯える男。 感想 世の中、みんな分かったような顔をして歩いているが、その実、知っている事なんてごくわずか。日々やっている事のほとんどは全く合理的でなかったりする。妻に浮気…

「ガラスの街」 1985

★★★☆☆ あらすじ 間違い電話をそのまま受けて、探偵の仕事を引き受けることになった作家の男。 感想 虐待していた父親が自分を殺しに戻って来るので助けて欲しい、という間違い電話の依頼をそのまま受けてしまった主人公。主人公は家族を失って絶望し、人との…

「シンコ・エスキーナス街の罠」 2016

★★★★☆ あらすじ 政治が腐敗し、テロがはびこるフジモリ政権下のペルーで、スキャンダル写真で世間を騒がすことになった富豪。 感想 全然知らなかったが、ペルーでフジモリ氏が大統領に当選した時、次点だったのは、後にノーベル文学賞も受賞したこの本の著者…

「ハリウッド白熱教室」 2015

★★★★☆ 内容 NHK Eテレで放送された「ハリウッド白熱教室」の書籍化。 感想 昔テレビで放送されているのをちらっと見て、面白いなと思った記憶のあるテレビ番組が書籍化されたもの。「脚本」「ビジュアル・デザイン」「撮影」「編集」「音響効果」という5つの…

「孤独の発明」 1982

★★★☆☆ あらすじ 父親の死後にその生い立ちを知ることになった男。 感想 2編からなる2部構成の物語。前半は、父親が死んだ後にその生い立ちを知った男の話。一緒にいても、いつも自分の心の殻に閉じこもっているようだった父親の、その原因を知ることになる…

「江分利満氏の優雅な生活」 1963

あらすじ 昭和30年代、電機会社に勤めるサラリーマン、江分利満(えぶりまん)氏の日常。直木賞受賞作。 感想 会社や仕事、社宅での暮らしや飲み屋の話など、平凡なサラリーマンの日常を綴ったエッセイのような小説。会社員だった著者が、日々の暮らしで思っ…

「日蝕・一月物語」 1998

★★★★☆ あらすじ 「月蝕」。舞台は中世ヨーロッパ。ある本を求めて旅に出た神学僧は、途中である村に住む錬金術師のもとをを訪ねる。芥川受賞作。 「一月物語」。熊野を旅する青年は、蛇に噛まれて山中の禅堂で療養していたが、そこで不思議な体験をする。 感…

「プレオー8の夜明け」 1970

★★★★☆ あらすじ 短編集。表題作は、敗戦後に戦犯としてサイゴン刑務所に抑留された主人公たちの日常を描く。芥川賞受賞作。タイトルの読みは「プレオ―8(ゆいっと)の夜明け」。 感想 従軍体験をした著者による戦争小説。読んでいると、実際に戦争に行った…

「われら」 1921

★★★☆☆ あらすじ 皆が同じようにして暮らす全体主義国家において、一人の女性に恋をしてしまった数学者。 感想 舞台は極度に合理化が進んだ社会。名前はなく皆が番号で呼ばれ、それぞれがいちいち何も考えなくて済むように、皆が同じ時間に起き、同じ服を着て…

「宇喜多の楽土」 2018

★★★★☆ あらすじ 五大老の一人として、豊臣政権を支えた備前岡山藩主・宇喜多秀家の生涯。 感想 宇喜多秀家は、秀吉に可愛がられてお気楽に過ごしていたのかと思っていたのだが、お家騒動があったりして大変だったのか。しかも、隣国で大国の毛利家とそれを警…

「くたばれインターネット」 2016

★★★☆☆ あらすじ とある講演の内容がネットにアップされた事により、炎上してしまった中年の女性漫画家。 感想 ネットでの炎上を扱った物語ということで、どのように炎上が起き、それに対してどのような対処をして鎮めていったのかというような事が描かれてい…

「上海フリータクシー 野望と幻想を乗せて走る「新中国」の旅」 2020

★★★★☆ 内容 アメリカ人ジャーナリストが中国でタクシーを運転し、乗客たちから本音を聞く。 感想 まずは、今はどれぐらい交通マナーが良くなったのか、分からないが、あのカオスな交通事情の中国で、外国人が車を運転すること自体がすごいと思ってしまった。…