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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ヴェネツィアに死す」 1912

★★★☆☆ 避暑地を訪れた高名な年老いた作家が、美しい少年に惹きつけられる。 名前は知っていたが初めて読むトーマス・マン。村上春樹の「ノルウェイの森」に彼の著作「魔の山」が出てくる。もっと古い時代の作家かと思っていたが、没年が1955年と知って驚いた…

「読書で離婚を考えた。」 2017

★★★★☆ 夫婦で交互に課題図書を指定して、その読書感想を綴るエッセイ。 お互いに本を勧めあって、仲良しな感じで進められていくのかと思ったら、タイトル通り不穏な空気が漂っていて、読んでいてドキドキしてしまう。途中で円城塔が実家に帰っていると言う話…

「ゴリオ爺さん」 1835

★★★☆☆ 娘二人を地位ある男に嫁がせ、自らは貧しい下宿屋に住まう老人。 まず老人の娘に対する溺愛っぷりが常軌を逸している。自らが貧しくても、娘たちには良い生活をしてもらいたいっていうのは、親心として誰にでもあるのかもしれないが、娘たちの生活が度…

「HIGH OUTPUT MANAGEMENT 人を育て、成果を最大にするマネジメント」 1983

★★★★☆ インテルの創業者二人が最初に迎え入れた社員であり、後に社長・CEO・会長を歴任した著者による経営管理に関する本。 著書は、マネージャーの仕事は自分の組織、自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプットを高めることだと定義している。これは意外…

「恥辱」 1999

★★★★☆ 大学で女性問題を起こしクビになった教授が、片田舎で一人暮らす娘としばらく過ごす事にする。著者は南アフリカ出身のノーベル賞作家。 最初は主人公の女性関係の話が続き、こんな話が続いていくのかと思ったら、問題が生じ全てを失ってしまう。ここら…

「さかしま」 1884

★★★☆☆ 放蕩の限りを尽くした貴族の男が、そのような生き方に飽きてパリの郊外に引き籠り、好きな書物や絵画など自らの趣味に適ったものに囲まれ暮らし始める。 世の中を少し見ただけで恐れたり傷ついたりして引き籠っている人間に対してなら、あなたが想像す…

「Airbnb Story 大胆なアイデアを生み、困難を乗り越え、超人気サービスをつくる方法」 2017

★★★☆☆ いまや巨大企業へと変貌を遂げたエアビーアンドビーの創業から現在に至る物語。 使っていない部屋や自分が不在のときに他人に部屋を貸す、というエアビーアンドビーのアイデアは、元々斬新で特別なアイデアだったわけでもなく、注目を集めたわけでもな…

「月と六ペンス」 1919

★★★★☆ 一時期親交のあった有名な画家について語る作家の男。画家のポール・ゴーギャンの生涯をモデルにしている。 40代の途中まで堅実な人生を送ったのに、その後妻と子供を捨てて画家になり、知人の妻を奪って捨て、一切反省する事もなく周囲には悪態をつき…

「GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代」 2014

★★★★☆ 組織心理学者による「与える人」が大きな成功を収めているその理由や方法の紹介。 世の中の様々な関係はギブ&テイクで成り立っている。何かをしてもらったらお返しに何かをしてあげる、互いに持ちつ持たれつで助け合っている。しかしそんな関係を詳細…

「世界しあわせ紀行」 2012

★★★★☆ ジャーナリストとして戦争や迫害、貧困など不幸に見舞われた国々を取材してきた著者が、あまり報道されることのない幸せに着目し、その観点から各国を取材する。 著者が訪れる国々は様々だ。幸福度調査でポイントが高かったアイスランドやスイス、国民…

「舞台」 2014

★★★★☆ ニューヨークに一人でやって来た男は、滞在初日に貴重品の入ったバッグを盗まれてしまう。 自意識が過剰な主人公。後でしっぺ返しを食って恥ずかしい思いをするからはしゃがないし、何かを演じる自分を誰かに気づかれないかと恐れてもいる。だからニュ…

「はじめよう! システム設計 要件定義のその後に」 2018

★★★★☆ 「はじめよう! プロセス設計」「はじめよう! システム設計」に続くシリーズ三作目。とか言いながらそれを知らずに今作から読み始めてしまった。 前2作を読んでないと理解できない、というわけではないので問題ない。ただある程度の知識がないと引っか…

「幸福だけが人生か? ポジティブ心理学55の科学的省察」 2016

★★★☆☆ ポジティブ心理学者がウェブサイトに寄稿した記事をまとめたもの。 そもそも「ポジティブ心理学」とは何か? ポジティブ心理学とは、人生においてよい方向に向かうことについて科学的に研究する学問である。p171 ということのようだ。もともと心理学は…

「ハーバード流 最後までブレない交渉術 自分を見失わず、本当の望みをかなえる」 2015

★★★☆☆ 「ハーバード流交渉術」をロジャー・フィッシャーと共に著した著者による、ブレない交渉を行うための方法。 交渉術のマニュアルに沿って交渉を行ってもどうも上手くいかない、win-winの関係を築こうとしているのに気がつくとwin-loseの結果に固執して…

「かもめのジョナサン」 1974

★★★☆☆ 餌をとるために飛ぶのではなく、飛ぶこと自体に魅了された一羽のかもめ。これまでの三部構成に新たに第四部が追加された完全版。 ページ数も少なく、簡易な言葉で綴られた寓話的な作品。当時は世界中で大ベストセラーになったと言うが、正直そこまでの…

「スピンクの壺」 2015

★★★★☆ 飼い犬の目から見た著者たちの生活を綴ったエッセイ。 著者が仕事になかなか取り掛からず、ふと思い立っては別の用事に取り掛かり、得意気になったり、落ち込んだり、八つ当たりしたり、急に真面目になったりする様子が、毎度のことながら面白い。こう…

「EQ こころの知能指数」 1996

★★★☆☆ 人びとが幸せな人生を送るために必要なのは、IQの高さではなく、心の知能指数であるEQである。 社会に出て数年も過ごせば世の中でうまいことやるために必要なのは、どうやら勉強が出来るとか仕事ができるということじゃないな、ということに気付きはじ…

「夏への扉」 1956

★★★★☆ 自ら設立した会社を乗っ取られた技術者は、飼い猫と共に30年間の冷凍睡眠に入る決意する。 主人公の技術者が、なるべく既製品を使うとか、故障が起きやすい箇所はなるべく減らすとか、修理は交換で済むようにするとか、その考え方にいちいち感心してし…

「「最悪」の医療の歴史」 2014

★★★☆☆ かつてその時代の最先端として行われていた酷い医療行為の歴史。 古代から中世の動物の血や内蔵を塗ったり、占星術を利用する等といったいわゆる「おまじない」のような医療は、昔のことだからと、微笑ましい気分で読んでいられるのだが、時代が徐々に…

「LIFE DESIGN スタンフォード式 最高の人生設計」 2017

★★★☆☆ デザイン思考を取り入れた人生設計の方法。スタンフォード大学の人気講座「Designing Your Life」で教える二人による著書。 Stanford Life Design Lab 幸せとは何か?なかなか難しい。誰かにとっては幸せでも、自分にとっては幸せではないこともあるし…

「最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常」 2016

★★★★☆ 多くの人にとってはどんな人がいて何をやっているのか、まったく想像もできない東京藝大の実態を探る。 芸大には変なことをやっている突き抜けている人達がいるから、そんな人達を取材した内容かと思ったらそうではなく、芸大の様々な学科に通う人たち…

「すべてがFになる」 1996

★★★☆☆ 殺人事件を起こし、10数年幽閉されるように生活していた天才科学者が、何者かに殺害される。 最初から誰も容疑者じゃないような書き方。普通はこの人が犯人ぽいなと思わせるような描写があったりするが、この本の中では皆がただ推理のための情報を与え…

「フォーカス」 2015

★★☆☆☆ 数分ごとにスマホの画面を見ないと落ち着かなくなってしまうように、世の中には情報が溢れ、現代では人びとが集中することが難しい環境に置かれている。そのような中でどのように集中力を保つか、何にフォーカスを当てるべきか、などについて説明して…

「幼年期の終わり」 1953

★★★★☆ ある日、空を覆うような巨大な宇宙船の群れが地球にやって来た。 人類の前に突如現れた宇宙人。てっきり人類対宇宙人の戦いが始まるのかと思ったがそういうわけではなかった。よく考えてみれば、こちらからは宇宙人たちの住む星を攻撃する手立てがない…

「叫び声」 1963

★★★☆☆ 同年代の仲間二人とともに、若いアメリカ人の家で共同生活を始めた若者。 居るべき場所にいないような、どこか居心地の悪い不安をそれぞれが世間に対して感じながら、日々を過ごしている。彼らが共に暮らすことでそれぞれが抱える不安を紛らわすことに…

「〆切本」 2016

★★★☆☆ 締切を前にした作家たちの阿鼻叫喚が収められているのかと思って手にとって見たが、そういうわけでもなく締切に関して言及しているエッセイや日記などが収められているといった感じだった。よく考えてみれば、たとえ締切を前に苦悩する事があったとし…

「ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時」 2016

★★★★☆ 組織心理学者の著者による、誰もが「オリジナル」になれる方法。 独創的な事を成し遂げてきた人びとをみると、とてつもない才能を持ち、圧倒的な自信を持った、自分とは違う種類の人びとだとつい思ってしまう。しかし、著者は彼らも自分たちと同じよう…

「新装版 なぜ選ぶたびに後悔するのか オプション過剰時代の賢い選択術」 2004

★★★☆☆ 何を買うにも現代では様々な選択肢がある。選択肢が豊富なのは良いことのはずなのに、どうしていつも選んだ後にかすかな不満や後悔を抱えてしまうのか。その理由を心理学者が解き明かす。 何かを選ぶということは、それ以外の選択肢を切り捨てることで…

「愛される資格」 2014

★★★☆☆ 反りの合わない上司への復讐のために、その妻に手を出した男。 他人の言葉に過剰に反応してしまう、考え過ぎの思い込みが激しい男。見当違いの行いで溜飲を下げようとする。圧倒的な才能を持つものに憧れ嫉妬し、自分にはその才能がないことに落ち込み…

「家族喰い」 2013

★★★★☆ 2012年に発覚した尼崎連続変死事件に関する周辺取材。 とにかく事件の人間関係を把握するのが大変で、何度も相関図を眺めることになる。ただ段々と分かってくるのは、犯人がターゲットにしたのはその殆どが、犯人のグループの身内の親戚関係だというこ…