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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

小説

「湖畔の愛」 2018

★★★★☆ あらすじ 主人公が勤める湖畔のホテルで巻き起こる数々の騒動。 感想 巻末の解説で吉本新喜劇的と評されていたが、確かにあの舞台でやっていそうな物語である。同じ設定、同じキャラで繰り広げられる物語。抱腹絶倒というわけではないが、それなりに笑…

「昭和の犬」 2013

★★★☆☆ あらすじ 戦後に生まれた女性の犬との関わりを中心とした半生。直木賞受賞作。 感想 一匹の犬と飼い主の関係を描いた物語ではなく、その時々に主人公の身近にいた毎回違う犬との話が描かれていく。それは家で飼っている犬だったり、近所や下宿先で飼わ…

「見えない暗闇」 1995

★★★★☆ あらすじ 妻の浮気相手に暴力を振るい、殺してしまったかもしれないと怯える男。 感想 世の中、みんな分かったような顔をして歩いているが、その実、知っている事なんてごくわずか。日々やっている事のほとんどは全く合理的でなかったりする。妻に浮気…

「ガラスの街」 1985

★★★☆☆ あらすじ 間違い電話をそのまま受けて、探偵の仕事を引き受けることになった作家の男。 感想 虐待していた父親が自分を殺しに戻って来るので助けて欲しい、という間違い電話の依頼をそのまま受けてしまった主人公。主人公は家族を失って絶望し、人との…

「シンコ・エスキーナス街の罠」 2016

★★★★☆ あらすじ 政治が腐敗し、テロがはびこるフジモリ政権下のペルーで、スキャンダル写真で世間を騒がすことになった富豪。 感想 全然知らなかったが、ペルーでフジモリ氏が大統領に当選した時、次点だったのは、後にノーベル文学賞も受賞したこの本の著者…

「孤独の発明」 1982

★★★☆☆ あらすじ 父親の死後にその生い立ちを知ることになった男。 感想 2編からなる2部構成の物語。前半は、父親が死んだ後にその生い立ちを知った男の話。一緒にいても、いつも自分の心の殻に閉じこもっているようだった父親の、その原因を知ることになる…

「江分利満氏の優雅な生活」 1963

あらすじ 昭和30年代、電機会社に勤めるサラリーマン、江分利満(えぶりまん)氏の日常。直木賞受賞作。 感想 会社や仕事、社宅での暮らしや飲み屋の話など、平凡なサラリーマンの日常を綴ったエッセイのような小説。会社員だった著者が、日々の暮らしで思っ…

「日蝕・一月物語」 1998

★★★★☆ あらすじ 「月蝕」。舞台は中世ヨーロッパ。ある本を求めて旅に出た神学僧は、途中である村に住む錬金術師のもとをを訪ねる。芥川受賞作。 「一月物語」。熊野を旅する青年は、蛇に噛まれて山中の禅堂で療養していたが、そこで不思議な体験をする。 感…

「プレオー8の夜明け」 1970

★★★★☆ あらすじ 短編集。表題作は、敗戦後に戦犯としてサイゴン刑務所に抑留された主人公たちの日常を描く。芥川賞受賞作。タイトルの読みは「プレオ―8(ゆいっと)の夜明け」。 感想 従軍体験をした著者による戦争小説。読んでいると、実際に戦争に行った…

「われら」 1921

★★★☆☆ あらすじ 皆が同じようにして暮らす全体主義国家において、一人の女性に恋をしてしまった数学者。 感想 舞台は極度に合理化が進んだ社会。名前はなく皆が番号で呼ばれ、それぞれがいちいち何も考えなくて済むように、皆が同じ時間に起き、同じ服を着て…

「宇喜多の楽土」 2018

★★★★☆ あらすじ 五大老の一人として、豊臣政権を支えた備前岡山藩主・宇喜多秀家の生涯。 感想 宇喜多秀家は、秀吉に可愛がられてお気楽に過ごしていたのかと思っていたのだが、お家騒動があったりして大変だったのか。しかも、隣国で大国の毛利家とそれを警…

「くたばれインターネット」 2016

★★★☆☆ あらすじ とある講演の内容がネットにアップされた事により、炎上してしまった中年の女性漫画家。 感想 ネットでの炎上を扱った物語ということで、どのように炎上が起き、それに対してどのような対処をして鎮めていったのかというような事が描かれてい…

「臣女」 2014

★★★★☆ あらすじ 体が巨大化していく妻の世話をする男。 感想 巨大化する妻と献身的に世話をする男。不思議な設定で面白いのだが、少し困るのが女の巨人ぶりがうまく想像できない事。ガンダムだとかウルトラマンくらいのサイズだとテレビや映画で見ることが多…

「吾輩は日本作家である」 2008

★★★☆☆ あらすじ 編集者に次作のタイトルを「吾輩は日本作家である」にすると告げた作家。 感想 カナダに住む黒人作家が、次作のタイトルを「吾輩は日本作家である」と決めたことから始まる物語。タイトルを聞きつけた日本大使館の人物が接触を図ってきたり、…

「流」 2015

★★★☆☆ あらすじ 中国内戦で敗れて台湾に逃れてきた祖父を中心とした一家で育った青年。直木賞受賞作。 感想 70~80年代の台湾の若者の青春小説。この当時の日本と似たようなヤンキー的要素もありながら、そこに中国との関係や、国内の本省人と外省人という立…

「ホサナ」 2017

★★★☆☆ あらすじ ドッグランで出会った女に、犬好きの集まるバーベキューパーティーに誘われた男。 感想 著者名だけ見てネットで注文したら、届いた本があまりにも分厚くて若干怖気づいてしまった。同じ著者の「告白」と同じくらいの分厚さで、900ページ以上…

「日はまた昇る」 1926

★★★☆☆ あらすじ パリで暮らすアメリカ人の男は、仲間と共にスペインの祭りを訪れ、牛追いと闘牛を見物する。 感想 最初はユダヤ人の元ボクサーの男が主人公で、その友人が第三者の視線で語っていく話なのかと思っていた。序盤のしばらくはそんな雰囲気だった…

「信長の定理」 2018

★★★★☆ あらすじ 「働きアリの法則」に気付いた信長が、配下の人間が皆良く働くためにはどうしたらいいのか思案する。 働きアリの法則 - Wikipedia 感想 信長の生涯が要所要所を踏まえて描かれていく。今回面白かったのは、信長に仕えた者たちの事が詳しく描…

「北回帰線」 1934

★★★☆☆ あらすじ パリを彷徨うアメリカ人。 感想 序盤は状況が分かりづらく、たくさん人も出てきて、ストーリーを把握するのが難しく、かなり戸惑ってしまった。しかし、それでも頑張って読み進めているうちに分かってくるのは、この小説にはちゃんとしたスト…

「ダブリナーズ」 1914

★★★☆☆ あらすじ アイルランド・ダブリンで暮らす人々の姿を描いた短編集。別邦題「ダブリン市民」 。 感想 理解できるがなんとも言えないような気分になるものや、分かるような分からないような内容だったりの、うーん、となってしまうような短編が続く。巻…

「イエスの幼子時代」 2013

★★★☆☆ あらすじ 移民としてやってきた男と彼と行動を共にする母親を探す男の子。 感想 移民として一緒にとある街にやってきた初老の男と母親を探す男の子の物語。その冒頭からどこかふわふわしていて、いかにも寓話的。以前に何があったのか、主人公である老…

「スローターハウス5」 1969

★★★★☆ あらすじ 時間を行ったり来たりすることができ、宇宙人にさらわれたこともある男の生涯。 感想 第2次大戦に出征し、捕虜となってドレスデン爆撃に遭遇した体験がメインに描かれている。しかし、敵の捕虜になっていたとはいえ、味方に爆撃を受けた気分…

「狂犬の眼」 2018

★★★★☆ あらすじ 左遷され田舎の駐在所に勤務していた主人公は、敵対する組織のトップを殺害したとされる手配中のヤクザが所轄の工事現場に潜んでいる事を知る。「孤狼の血」シリーズの2作目。 感想 前作から時間が経過し、警察官である主人公は左遷され田舎…

「異色作家短篇集14 虹をつかむ男」 2006

★★★☆☆ あらすじ 妻との外出中に空想にふける男を描いた1939年の表題作「虹をつかむ男(別の邦題:ウォルター・ミティの秘密の生活)」を含む短編集。 感想 表題作「虹をつかむ男」を原作とした映画「虹を掴む男」をリメイクした「LIFE!」が面白かったので読…

「銀河ヒッチハイク・ガイド」 1979

★★★☆☆ あらすじ 地球が取り壊されてしまうも、宇宙船をヒッチハイクした宇宙人の友人に助けられた地球の男。 感想 元々はラジオドラマだったものを小説化したということで、よくある一話完結のコメディドラマになったところを容易に想像できる。設定を生かし…

「ホワイトラビット」 2017

★★★☆☆ あらすじ 仙台市で起きた奇妙な立て籠もり事件の顛末。 感想 ある男を探して家に侵入した犯人。犯人は妻を誘拐されて脅されており、押し入った家の母と息子も何やら隠し事があるようだ。さらにはそこに謎の男も加わって、というややこしい展開。そこか…

「孤狼の血」 2015

★★★★☆ あらすじ 暴力団同士の抗争の火種がくすぶる街で、抗争阻止に奔走するやり手の上司と行動を共にする新人の刑事。 感想 やくざと親密に交際して重要な情報を引き出すベテランの刑事。時には違法な手を使いながらも、民間人に危害が及ばないように尽力し…

「秀吉の活」 2017

★★★☆☆ あらすじ 農民から天下人となった豊臣秀吉の生涯を、「就活」「婚活」「妊活」など「活」に着目して物語る。 感想 「昇活」「凡活」など、ん?と思うような強引なものもあるが、「活」というくくりで秀吉の生涯が語られる。個人的に興味深かったのは、…

「献灯使」 2014

★★★☆☆ あらすじ ひ孫を育てる100歳を過ぎた作家の男。他、全5編の短編集。 感想 表題作の「献灯使」は、東日本震災の影響を強く感じさせるような、荒廃し大きく変容した東京が舞台となっている。100歳を超えた老人たちが普通に元気に働いており、しかし若い…

「トーニオ・クレーガー 他一篇 」 2011

★★★☆☆ あらすじ 少年時代を過ごした街を出て、作家として名を成した男、トーニオ・クレーガー。別の邦題タイトルとして「トニオ・クレーゲル」「トニオ・クレエゲル」など。他一篇は「マーリオと魔術師」。 感想 美しい少年との友情や少女への恋心など、よく…