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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

★4

「マイ・バック・ページ ある60年代の物語」 1988

★★★★☆ 60年代後半の学生運動が盛り上がりを見せる中、新人記者として働き始めた著者が当時を回顧する。 自分の若い頃を過ごした時代が良い時代だったのか、悪い時代だったのかはともかく、いつまでたっても思い入れたっぷりになって振り返ってしまうというの…

「コンビニ人間」 2016

★★★★☆ コンビニでアルバイトをすることで自分の居場所を見つけた女。芥川賞受賞作。 幼い頃から他人の言動を理解できず、違和感を覚えていた主人公。だがそのことに不満を感じるわけでも、怒りを覚えるでもなく、ただ戸惑い理解できずに困っている。感情に乏…

「愛について語るときに我々の語ること」 1981

★★★★☆ 短編集。 そのどれもが、一見するとストーリーがあるような、ないような内容となっており、まだ続きそうな雰囲気で物語は終わる。ただ、シンプルな文章の端々に、何か深い意味があるような、ないような匂いも漂わせていて、どこか心に引っかかりが残る…

「ギケイキ 千年の流転」 2016

★★★★☆ 古典「義経記」を、町田康が語り直す。「千年の流転」では、義経の生い立ちから、決起した兄頼朝のもとに駆けつける直前までが描かれる。全4巻の予定。 古典を敬遠してしまうのは何よりもまず、その読解が困難な古文。それにはとりあえず現代語訳バー…

「辺境の路地へ」 2018

★★★★☆ 著者が辺境の地を旅し、そこで見聞きしたこと、出会った人たちとのエピソードを綴る。 こういう自分の普段の生活からはかけ離れた境遇で過ごす人たちの話を読むと、自分の知ってる世界というのは、世界のほんの一部でしかないことを思い知らされる。そ…

「マイ・バック・ページ」 2011

★★★★☆ 新左翼の活動家と知り合った新米記者。 学生運動の様子を見ていたら、どことなく明治維新と似ているなと思ってしまった。きっと幕末の尊王攘夷だ何だと叫んでいた志士たちのほとんどは、その実きっとよくわかっておらず、ただ周囲の熱に浮かされていた…

「プレデター」 1987

★★★★☆ ゲリラからの捕虜奪還作戦を終え、帰途についた特殊部隊は謎の生命体に次々と襲われる。 純粋な軍事作戦ものと思わせておいて、別次元の話になるところが面白いのかな、とも感じるのだが、タイトル的にそれに関してはネタバレしているのかもしれない。…

「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」 2014

★★★★☆ 大きな仕事を翌日に控えた現場監督の男は、夜の高速をロンドンへと車を走らせる。 登場するのは主演の車を運転するトム・ハーディーだけ。全編が車の中のシーンで、様々な人物と電話で会話することで物語は進んでいくという異色の映画。 映画としては1…

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」 2014

★★★★☆ かつてスーパーヒーローを演じて一世を風靡するも、今は落ち目のハリウッドスターが、ブロードウェイの自作自演の舞台で復活を目指す。アカデミー賞作品賞。 まるでワンカットで撮っているような演出で、慣れるまでは息つく暇もなく、目がぐるぐるして…

「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」 2009

★★★★☆ 今ではライフハックの代表的なものの一つとなっているGTD(Getting Things Done)。それを提唱した本。旧邦題「仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法」。 頭の中に、やらなければいけないことをあれこれ浮かべながら仕事をしていて…

「ヒステリア」 2011

★★★★☆ 医療行為の延長として、いわゆる電動の大人のおもちゃを発明した医師の物語。 序盤に、最新の医療の知見を取り入れたい主人公である若い医師が、それを認めない医院長と対立して仕事を辞めるシーンがある。過去の自らの知識と経験にすがり、新たな知識…

「50/50 フィフティ・フィフティ」 2011

★★★★☆ 20代後半で生存率50%の癌になった青年とその家族や友人たちの日々。 あらすじだけを聞くと、重くて暗くて悲しい、お涙頂戴のお話かと思ってしまうがそんなことはなく、ユーモア溢れる楽しい作品に仕上がっている。音楽やファッションも小粋で爽やか。…

「フィリップ、きみを愛してる!」 2010

★★★★☆ 事故で瀕死の重傷を負った男は、世間体に囚われず、ゲイとして自由に生きようと決意する。実話を題材にしている。 幼い頃に養子であることを知らされ、それでも立派に生きようと努力してきた男。ようやく見つけた実の母親には拒絶され、気分を一新して…

「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」 2014

★★★★☆ 仲間とともに武器密売組織の襲撃にむかった主人公は、密売組織のリーダーがかつての仲間であったことに驚く。 回を追うごとに豪華になっていく出演者たち。スタローンがシュワルツェネッガー、次にハリソン・フォードと、順に顔を合わせるシーンには普…

「イップ・マン 葉問」 2010

★★★★☆ 香港で武館を開いたイップ・マンは、同業者たちの了解を得るために試験を受ける。 前半のクライマックス、香港にある武館の元締め、サモ・ハン・キンポーとの戦いは見応えがある。丸い円卓の上でのイップ・マンとの対決。しかしなんでそんな狭いところ…

「デンジャラス・ビューティー2」 2005

★★★★☆ 前作で世間に顔を知られることとなり、捜査に支障が出ることからFBIの広告塔となった主人公は、友人のミス・アメリカが誘拐されたことを知る。 前作の女子力の低い女FBIがミスコンに参加するという、女子力を上げるのに悪戦苦闘するさまを面白おかしく…

「蟹工船」 2009

★★★★☆ 蟹工船での過酷な労働に疲弊する労働者たち。 10年ほど前に謎の「蟹工船」ブームがあったが、映画を見ているとその理由が分かるような気がした。ここまで分かりやすくはないが、システムとしては同じ形態で働いていて、シンパシーを感じる人達がたくさ…

「エクスペンダブルズ2」 2012

★★★★☆ 突然現れた男たちに任務を邪魔され、仲間を殺された傭兵軍団は、報復のため彼らを追う。 冒頭から出演者たちが大暴れで盛り上げてくれる。画面に登場するのが全てかつての主演級ばかりなので、無駄にテンションが上ってしまう。 出だしでキャラクター…

「イップ・マン 序章」 2008

★★★★☆ 武術の町で最強と敬意を払われ、余裕のある生活を送っていた武闘家が、勃発した日中戦争の影響で苦しい生活を強いられることになる。ブルース・リーの師匠として知られるイップ・マン(葉問)の物語。 日中戦争で日本軍に占領された町での、日本の軍人…

「ウエスタン」 1968

★★★★☆ 結婚するために西部にやって来た女は、結婚相手の一家が襲撃に遭い、皆殺しにされたことを知る。 普通に撮ればきっと90分ぐらいで終わりそうな、165分の映画。じゃあ残りの75分で描かれているのは何かと言われれば、それは「美学」。 冒頭からすごい。…

「モヒカン故郷に帰る」 2016

★★★★☆ デスメタルバンドのボーカルをする男が、結婚の報告のために妊娠した彼女を連れて、故郷である広島の離島へ帰る。 冒頭の柄本明演じる父親が、指導する中学の吹奏楽部の部員たちに、矢沢永吉のモノマネで説教する姿が面白すぎた。正直、もうちょっと見…

「イエスマン “YES”は人生のパスワード」 2008

★★★★☆ 離婚で傷つき、あらゆるものを拒んで暮らす男が、 あるセミナーへの参加を機に何事にも「イエス」と答えるようにしたことから、人生に変化が訪れる。 笑わせたいばっかりではなく、ちゃんと物語の筋を踏まえているときのジム・キャリーは面白い。こう…

「世界一やさしい問題解決の授業 自分で考え、行動する力が身につく」 2007

★★★★☆ わずか110ページで、イラストや図も多く用いられており、簡単に読み終えることができる。内容もタイトル通り、中高生でも分かるようなやさしい内容となっている。というよりも、最後に父兄や教師にあてた文章があることから、中高生に向けた本なのかも…

「早熟のアイオワ」 2008

★★★★☆ ポーカー賭博、ドラッグ、売春が行われる「ポーカーハウス」に母親と共に暮す三姉妹。監督自身の子供時代の実話に基づいた物語。 母親が売春婦で家には怪しげな大人たちが集う家という、子供が育つには最悪と言える環境のはずなのに、三姉妹の様子は想…

「「男はつらいよ」を旅する」 2017

★★★★☆ 映画「男はつらいよ」シリーズの舞台を巡る紀行文。 「男はつらいよ」の魅力は渥美清演じる主人公、車寅次郎の魅力というのが勿論大きいが、彼が旅する日本各地の風景というのも大きな要素となっている。今ではあまり見ることのできなくなった古き良き…

「ソルト」 2010

★★★★☆ ロシアから亡命した男を尋問していたCIAの女諜報員は、ロシア大統領を暗殺を計画している人物として自らの名を挙げられ、CIAに追われることになる。 途中でダレることなく、最初から最後まで息つく暇もない緊張感のあるシーンの連続。主演のアンジェリ…

「8月の家族たち」 2013

★★★★☆ 父親が家政婦を雇った直後に失踪し、残された母親を心配して三人の娘と親族が集まる。 冒頭の家政婦を雇うシーンからのタイトルバック、そしてそれが終わると当事者の父親はすでに失踪した後、という小気味の良い展開。それを受けて、妹一家、娘一家が…

「勝間式超ロジカル家事」 2017

★★★★☆ こういう類の本はたくさんあるが、この本はモデルのようなキラキラとした生活をしたいとか、ナチュラル系の雑誌のような季節を感じる手間ひまかけた生活を楽しみたいとか、そういうのではなく、そんなのどうでもいいから最低限のことはなんとかやりた…

「サンダーボルト」 1974

★★★★☆ かつての銀行強盗の仲間から分け前をめぐって追われていた男は、たまたま出会った若い男に助けられる。 クリント・イーストウッドとジェフ・ブリッジス、二人が演じる少し歳の離れた相棒同士の出会いが、なんというか暴力的。まったくそんな必要がない…

「黒い家」 1999

★★★★☆ 顧客に呼び出され訪問した先で、その息子の自殺の第一発見者に仕立て上げられた保険会社社員が、保険金の支払いを執拗に迫られる。 西村雅彦演じる何を考えているのかわからない挙動不審ないつも揺れている男と、大竹しのぶ演じる話が伝わらなさそうな…