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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

★4

「愛を読むひと」 2008

★★★★☆ 年上の女性と知り合い、関係を深めていく青年。 年上女性との恋。でもこれ今だと犯罪で片付けられてしまう味気ない世の中だよな、なんて思いながら見ていたのだが、途中から様相が変わってくる。よく考えると1950年代なんて、普通に戦争の経験をした人…

「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」 2017

★★★★☆ 一般人にはあまり知られていない鳥類学者の生態を、学者自らが語る。 確かに鳥類学者って何やっているのか良くわからない。人類の役に立っているのかも良くわからないが、その辺りの事柄について柔らかい語り口で面白おかしく語られるので、肩肘張らず…

「家族はつらいよ2」 2017

★★★★☆ 家族に運転をやめるよう説得されている老人が、飲み屋の女将とドライブ中に、長いこと音信不通だった昔の同級生と再会する。 老人の自動車免許返納の話なのかと思わせるような、最初はあまり方向性が感じられない展開。登場人物が多いと、人物紹介的に…

「エンド・オブ・キングダム」 2016

★★★★☆ 亡くなった英首相の葬儀が執り行われようとする中、大規模なテロが起こり参列予定の各国首脳が次々と襲撃される。 前回のホワイトハウスもそうだが、今回のロンドンの各名所のような壊しちゃ駄目でしょみたいな場所が、無残に破壊されてしまうのは見ご…

「JSA」 2000

★★★★☆ 朝鮮半島の軍事境界線で北朝鮮軍の兵士数名が韓国軍兵士に殺害され、両国を監視するスイス軍の朝鮮系の女性が事件を捜査することになる。 映画の中の世界とはいえ、両国の国境の警備がユルユルで驚いた。まぁでもすべての国境線上を見張るのは簡単では…

「ボルベール〈帰郷〉」 2006

★★★★☆ 姉と娘とともに故郷で両親の墓掃除をして戻ってきた女に、次々と事件が起こる。 主人公たちが故郷から帰ってきてからは思いのほか、サスペンス調。しかし、前振りがしっかりしていていて感心する。帰ってくるときに隣のレストランのオーナーに挨拶して…

「チルソクの夏」 2004

★★★★☆ 姉妹都市である下関市と韓国の釜山市が定期的に開催している陸上の交流大会に参加した女子高生グループ。そのうちの一人が、韓国人の男子選手と仲良くなり、一年後の再会を誓う。 わずか数日会っただけで互いに好きになり、その後離れ離れになることは…

「灼熱の魂」 2011

★★★★☆ 死んだ母親の遺書にもとづき、彼女の祖国レバノンで父親と兄を探すことになった双子の兄弟。 静かな映画。母親の生涯とそれを辿る子供たちが交互に淡々と描かれていく。それだけにレバノン内戦下での母親の過酷な人生がより際立つ。何が起ころうがもは…

「ノー・マンズ・ランド」 2001

★★★★☆ ボスニア紛争の中間地点で、体の下に地雷を仕掛けられ動けない男と睨み合う両軍の兵士。アカデミー外国語映画賞。 両軍の中間地帯で対峙することになったボスニア兵とセルビア兵。互いに言葉も通じるのに殺し合うってどんな気分だろう。互いにこの紛争…

「GONIN サーガ」 2015

★★★★☆ 前作「GONIN」で事件に巻き込まれ殺された被害者の息子たちが中心となり、冷たい仕打ちをした組への復讐を企てる。 前作から約20年の月日が経っていて、前作は見たはずだがすっかり内容は忘れてしまっていた。ただそんな人達のために前作の映像を使っ…

「ヤバい社会学 一日だけのギャング・リーダー」 2009

★★★★☆ 社会学者を目指すシカゴ大の学生が、実地調査のために黒人ギャングたちの世界に潜入した体験記。 タイトルには「社会学」という言葉が入っているが、学問というよりはルポルタージュと言ったほうがいい内容。著者は社会学者でこの体験から様々な研究成…

「グランド・イリュージョン」 2013

★★★★☆ 謎の人物に集められた4人のマジシャンがチームを組んで、ショーを行うようになる。 空を飛んだり、宇宙を旅行したり、恐竜と戦ったり出来る映画の世界では、マジシャンなんて大した存在ではないのだが、巨悪から金を巻き上げ弱者に金を配る義賊として…

「チェイサー」 2008

★★★★☆ 風俗嬢たちが同じ男に派遣された後に行方不明となったことから、男の居所を探し始めた風俗業を営む元刑事。 韓国のデリヘリは、デリヘル嬢が自ら車を運転して男をピックし、一緒に男が指定する場所に向かうのか。無駄な知識が一つ増えた。しかし、それ…

「モネ・ゲーム」 2012

★★★★☆ イギリスのメディア王がコレクションするアート作品のキュレーターを担当する男は、メディア王の横暴ぶりに耐えかね仕返しを計画する。映画「泥棒貴族」のリメイク。 幻の名画がアメリカ・テキサスの片田舎の娘の家で見つかったことにし、メディア王か…

「スポットライト 世紀のスクープ」 2015

★★★★☆ ボストン・グローブ紙の「スポットライト」班は、新編集長の方針に従い、神父の性的虐待事件について取材を始める。事実を基にした物語。アカデミー賞作品賞。 多くの人が尊敬するような聖職者が性的虐待なんて出来れば信じたくないし、事実だとしても…

「小津安二郎の喜び」 2016

★★★★☆ 小津安二郎の現存する全作品に触れながら、監督の描こうとしたものを読み解いていく。 監督の映画作品を年代順に見ながら語られていく。個人的には彼の作品の初期の作品はほとんど見ていないので、見ていない映画の話が続くので序盤はちょっとしんどか…

「エンド・オブ・ホワイトハウス」 2013

★★★★☆ テロリストによってホワイトハウスが占拠され、大統領らが人質に取られる非常事態に、1年前まで大統領の警護をしていた男が一人立ち向かう。 テロリストたちが圧倒的な力であっという間にホワイトハウスを制圧してしまうのは圧巻。アメリカ人にとって…

「ソロモンの指環 動物行動学入門」 1949

★★★★☆ ノーベル医学生理学賞を受賞した動物行動学者による、動物に関するエッセイ。 読んでいると、著者は本当に動物が好きなんだなということがひしひしと伝わってきて、微笑ましい気持ちにさせられる。研究者である前に何よりも動物好き。楽しそうに語って…

「ノック・ノック」 2015

★★★★☆ 妻と子供たちが旅行に出かけ、深夜にひとり仕事をする男の家に、二人の若い女が突然訪れる。映画「メイク・アップ」のリメイク。 冒頭の家の中の洗練された趣味の良い家具やアート作品、洒落た家族の写真などを映しながら夫婦の部屋にたどり着くショッ…

「抱擁のかけら」 2009

★★★★☆ 盲目の脚本家のもとに、かつて因縁のあった実業家の息子が訪れる。 実業家の息子の訪問がなぜ主人公たちを動揺させたのか、そしてなぜ主人公は失明したのか、現在と過去を行き来しながらその真相が明らかになっていく。その話の構成がうまく出来ていて…

「世界の辺境とハードボイルド室町時代」 2015

★★★★☆ ソマリランドは室町時代の日本と似ている、ということから始まった日本中世史の研究者とノンフィクション作家の対談。 人類は目覚ましい進歩を遂げたが、すべての地域でその足並みは必ずしも揃っているわけではない。進歩の度合いにばらつきがあるので…

「恋人たちの食卓」 1994

★★★★☆ 日曜の夜は、適齢期の三人の娘たちのために料理を作り、ともに食卓を囲む恒例としている料理人の父親。 オープニングで、父親が娘たちのために料理をするシーンは、引き込まれ惚れ惚れしてしまう。父親の小気味のいい手際の良さや、次々と姿を変えてい…

「バッド・ルーテナント」 2009

★★★★☆ 証拠として押収したドラッグを盗み、スポーツ賭博で借金を重ねる悪徳警官が、ある一家殺害事件の指揮を執る事になる。 証拠品を盗んだり、警察の権威を利用する警官。捜査のためになりふり構わないというわけではなく、クスリがほしい、ギャンブルに勝…

「「ない仕事」の作り方」 2015

★★★★☆ 今までは存在しなかった仕事の数々を生み出してきた著者による仕事術が、実例をもとに公開される。 読んでいて意外だったのは、本人が積極的に売り込みや営業をしているという事。なんとなく本人はマイブームに夢中になっているだけで、それを見た周り…

「推手」 1995

★★★★☆ 中国から息子一家の暮らすアメリカに移り住んだ老人は、言葉の通じない息子の嫁と過ごす日中に孤独を感じていた。 冒頭の太極拳をする中国人の老人と、苛立たしげな素振りの若い白人の女が一緒の家にいるシーン、どういう状況なのかいろいろと考えてし…

「チャッピー」 2015

★★★★☆ 警察に大量採用されたロボットを開発したエンジニアが、会社の命令を無視して独自開発したAIを廃棄寸前のロボットに導入しようとするが、犯罪者集団に奪われてしまう。 会社に反対されても、勝手に人工知能をインストールしようとするエンジニア。犯罪…

「ケープタウン」 2013

★★★★☆ 元ラグビー選手の娘が殺され、捜査を始める警部たち。 大豪邸に住む人間がいるかと思えば、バラックのような集落に住む人間もいる。ホームレスの子どもたちは土管の中で夜露をしのぎ、誰も彼らの事を気にしない。南アフリカは色々と闇の深さを感じる国…

「マイ・バック・ページ ある60年代の物語」 1988

★★★★☆ 60年代後半の学生運動が盛り上がりを見せる中、新人記者として働き始めた著者が、当時を回顧する。 自分の若い頃を過ごした時代が良い時代だったのか、悪い時代だったのかはともかく、いつまでたっても思い入れたっぷりになって振り返ってしまうという…

「コンビニ人間」 2016

★★★★☆ コンビニでアルバイトをすることで自分の居場所を見つけた女。芥川賞受賞作。 幼い頃から他人の言動を理解できず、違和感を覚えていた主人公。だがそのことに不満を感じるわけでも、怒りを覚えるでもなく、ただ戸惑い理解できずに困っている。感情に乏…

「愛について語るときに我々の語ること」 1981

★★★★☆ 短編集。 そのどれもが、一見するとストーリーがあるような、ないような内容となっており、まだ続きそうな雰囲気で物語は終わる。ただ、シンプルな文章の端々に、何か深い意味があるような、ないような匂いも漂わせていて、どこか心に引っかかりが残る…