★★★★☆
あらすじ
不況下の不動産屋のセールスマンたちは、突然訪れた本社の幹部に、売上成績下位の者はクビにすると告げられる。
原題は「Glengarry Glen Ross」。
感想
ほぼ女性が登場しない男臭い物語だ。しかも原作が戯曲だからか、ほとんど場面転換がなく、それが男臭さを濃密なものにしている。
しかし、セールスの世界は大変だ。土砂降りだろうが、夜だろうが、見込みのない客だろうが、セールスをかけなければいけない。営業職はこういうイメージだから、人気が無いのだろう。今時、こんな営業しているような所は駄目な会社なのだろうが。
硬派な雰囲気が漂う男たちが、契約を獲得したら嬉しそうに身ぶり手ぶりを交えてその時の様子を語ったり、上司に褒めてもらいたさそうに何度も自分の手柄を口にする姿は可愛らしい。
日本の厳しいノルマが課せられている営業マンと違うのは、彼らは上司に面と向かって悪口を言うことだ。普通に「お前が無能だから契約を取れない」とか「無理なものは無理だ」とか言っている。だからかなり殺気立った雰囲気なのだが、陰でしか悪口を言えない日本だと淀んだ雰囲気となる。
役者陣の中ではジャック・レモンが良かった。病気の娘を抱え、年下の上司のもとで働くベテランの営業マンとして、色んな表情を見せている。ラストのアル・パチーノの顔を見つめ、何か言いたげな、でも何を言うべきかわからず、何も言えずに去っていく姿が印象的だった。
スタッフ/キャスト
監督 ジェームズ・フォーリー
脚本 デヴィッド・マメット
原作 Glengarry Glen Ross (Modern Plays)
出演
ジャック・レモン/アレック・ボールドウィン/エド・ハリス/アラン・アーキン/ケヴィン・スペイシー/ジョナサン・プライス/ジュード・チコレッラ
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード