★★★☆☆
あらすじ
未確認生物を追う探検隊の隊長役のオファーを受けたかつての人気俳優。行き当たりばったりの撮影に戸惑うが、次第にのめりこんでいく。
感想
いわゆる「川口浩探検隊シリーズ」のパロディ、といっても多分分かる人はそんなにいない。今でいうと大げさな演出手法のモキュメンタリーと言えばいいのか。
水曜スペシャル「川口浩 探検シリーズ」 川口浩探検隊~野性の脅威・猛獣編~ DVD BOX
- 出版社/メーカー: ポリドール映像販売会社
- 発売日: 2006/03/29
- メディア: DVD
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
映画はそんな探検隊の撮影と、藤原竜也演じる再起をかける俳優がそれに戸惑う様子を見せながら物語は進む。コメディではあるのだが、もともとこの探検隊の本編が既にコメディみたいなものなので、その裏側を見せられても逆に笑えないというか。面白いコントの舞台裏を見させられているというか、「情熱大陸」に芸人が出ているのを見ている感じ。
そんな感じでフラットな気分で見ていたのだが、主人公が撮影にノリノリになりだしてきてから面白くなってきた。この面白さは何だろうと考えると、多分、「探検隊」の本編の面白さなのだろう。馬鹿馬鹿しいことを皆が真剣にやっている面白さ。藤原竜也のいつもの演技もここでは活きる。撮影隊の熱さを面白がって描いている。
撮影が佳境を迎えようとしたときに、撮影隊は現地の政府軍対反政府軍の争いに巻き込まれてしまう。映画も佳境だがここでトーンダウン。原因は、撮影隊の熱さを面白がるのではなく、そのまま熱さとして描いてしまっているから。急に真面目要素が強くなってしまった。ただ映画を盛り上げるには仕方がないのかなと思わなくはないが、できれば最後までへらへらして乗り切るという彼らなりの熱さで、対抗して欲しかった気がする。エンディングまでが長いのも真面目感が出ていた。
とはいえ、見る前のハードルがかなり低くなっていたので、思っていたよりは悪くない出来で、意外と楽しめた。「面白さ」って何だろう?と考えさせられる映画ではあった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 山本透
出演
ユースケ・サンタマリア/小澤征悦/田中要次/川村陽介/佐野ひなこ/岡安章介