★★★★☆
あらすじ
メッセンジャーの仕事中に出会った女性を介して、パルクールの魅力にハマった男。経済的な理由からパルクール仲間と共に危険な仕事をするようになる。
感想
ストーリーとしては特段真新しいところはないし、中盤は少しダレるのだが、単純にパルクールアクションを見ているだけで十分楽しめる。自転車すら邪魔で自分の体ひとつあればそれで十分なんて、カッコいい。ブルース・リーなどのカンフー映画を見てストーリーなんかよりも、本物の凄さに引き込まれるのと一緒だ。もしかしたらこの映画では、CGとかを使っているのかもしれないが。
より高くジャンプしたり飛び降りたり、障害物を乗り越えたりと、子供の時は夢中でやっていたようなことをそのまま大人になっても続けているようなパルクール。いわゆるXゲーム的なスポーツと根っこは同じで、やっている本人たちは無邪気にスリルを楽しんでいるのかもしれないが、他人の迷惑を顧みない独善的な部分は気になる。
誰にも迷惑をかけない場所で楽しんでいるならともかく、街中で自由奔放にやられたら普通に生活している人たちの迷惑になることもある。実際にこの映画でも、主人公とパルクールの出会いはパルクールが引き起こした事件がきっかけだった。しかも、彼らは邪魔をした相手が悪いとか思ってそうな節がある。そんな無邪気で独善的な態度が、オリンピックスポーツになっても、選手に反感を覚える人が出てくる原因なのかもしれない。
そんな自由に街を走り回る彼らなのに、リーダーは絶対、みたいな規律があったり、兄貴を助けてもらったから仕方なくリーダーと付き合うとか、意外と人間関係の考え方は古臭いのが気になった。まぁそのあたりはパルクールは関係なく、犯罪者集団の掟ということなのだろう。
ラストもどこまでが計算だったのか良く分からなかったりとモヤモヤする部分はあるが、それでもいいアクション映画を見たなという気にはなれる映画だった。
スタッフ／キャスト
監督 ダニエル・ベンマヨール
出演 テイラー・ロートナー／アダム・レイナー
