★★★☆☆
あらすじ
壁で囲まれ隔離されたパリの無法地帯に時限爆弾が持ち込まれた。ひとりの刑事が身体能力の高い地元の男とコンビを組んで、爆弾の解除に向かう。
感想
この映画のハリウッドリメイク「フルスロットル」が面白く、ダヴィッド・ベルの身体能力に驚いたので、オリジナルはもっとすごいのだろうと期待して見たのだが、その期待は上回らなかった。勝手にハードルを上げ過ぎてしまった。
でも確かにダヴィッド・ベルのパルクールアクションはすごい。小さな窓を勢いよく潜り抜けたり、マンションの上から階段を使わず地上まで下りてきたり。ただそんな彼を追いかけるギャングたちも同様に身体能力が高く、意外と彼についていけている。この地区は超人しか住んでないんじゃないかと思ってしまうほど。そして、よく見ているとやられ役の人たちもハードな動きをしている。華麗に障害物を乗り越えていく主人公たちよりも、障害物に激しくぶつかり倒れていく彼らの方がテクニックがいりそうだ。
ストーリーはよく考えられていると思うが、主役のコンビが余裕綽々な雰囲気を常に出していて、観ていてもあまりハラハラドキドキしない。絶体絶命的な状況もあったのだが二人とも平然としているので、こちらも手に汗握る必要はないのかな、と思ってしまった。いわゆる正常性バイアスというやつが働いているのだろう。
細かいことはとにかく、とにかくパルクールアクションを見てくれという事なのだろうが、それならこれでもかというほどもっとアクションを観たかった。
最後は不誠実な行政トップを懲らしめてのエンディング。トップが駄目なら下が責め立て、下が不正を働けばトップが正す。こうやって互いが互いを監視しあうことで公明正大さが保たれ、組織が上手く機能していくんだよなと再確認させられる。
スタッフ/キャスト
監督 ピエール・モレル
脚本/製作 リュック・ベッソン
出演 シリル・ラファエリ/ダヴィッド・ベル/トニー・ダマリオ
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