★★☆☆☆
あらすじ
製薬会社の研究員が殺害されるという事件が起き、その会社の株取引で巨額の利益を得ていた画商に目をつけ捜査するコンビの刑事。人気テレビドラマの劇場版シリーズ第1作。
感想
バブル期が舞台という事で、劇中の人物たちが皆どこか派手さを感じるファッションをしている。今だとそんな派手な服を着る勇気はなかなか出ないような気がするが、当時の人たちは気負うことなく自然にそれを身に着けることが出来るほど、普通に自信に満ちていたという事なのだろう。こんな時代があったのだなとしみじみとしてしまう。
映画は主人公の刑事二人と画商に雇われた傭兵の男の対決が中心となって描かれる。だが菅田俊演じる傭兵の男が悪役として全然魅力的ではなく、観ていてもあまり気分が盛り上がらない。まず謎の大男として登場するのだが、最後までよく分からない人のままで終わってしまった。せめて人間味のある描写をするとか、強いだけではなく凄みを感じさせるとか、どこか引っ掛かりを感じるような演出をして欲しかった。
それから、主人公コンビの決裂、同僚たちや上司との絆、そして犯人側の人間関係など、映画で何を描きたかったのかは分かるのだが、それらがストーリーの中に上手く落とし込めていない。それまで愉快にやっていた主人公二人が、突然シリアスな雰囲気になって意見が食い違い、別行動を取るようになったりするので、どうしても唐突でちぐはぐな印象を受けてしまう。もう少しスムーズに納得感のある方法で各エピソード間をつなげて欲しかった。
二人の掛け合いなど面白いシーンはあったし、突然何の脈絡もなく柴田恭兵が踊り出すような変な世界観も悪くはなかったが、全体とし全然話が盛り上がっていかないのが辛かった。
スタッフ/キャスト
監督 長谷部安春
脚本 柏原寛司/大川俊道
出演 舘ひろし/柴田恭兵/浅野温子/仲村トオル/木の実ナナ/ベンガル/小野みゆき/菅田俊/中村あずさ/SCHOOL DAZE/室田日出男/中条静夫
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次作 シリーズ第2作目