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「ある過去の行方」 2013

ある過去の行方(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 離婚手続きのために元妻のいるフランスにやって来た男は、義理の娘の素行不良を相談される。

 

感想

 離婚するためにイランからパリの家に戻ってきた途端、妻は新しい男と再婚するつもりで、しかも既に相手の連れ子と共に同居しているのを知ったら、かなりげんなりしそうだ。それでも粛々と家事をしたり、子供たちの面倒を見る夫。心優しすぎる。さらには自分の再婚に不満らしい娘に探りを入れて欲しいと妻に頼まれてしまう。

 

 そんなわけで、義理の娘の代理人的存在として妻と対立する立場になってしまった夫。離婚してしまえば関係ないと言えばない損な役割なのだが、かつて一緒に暮らし今でも自分に懐いている義理の娘のためなら、やらざるを得ないか。そして、少しずつ妻の再婚についての詳細が明るみになっていく。そこから分かってくるのは、どうやらこの再婚には複雑な事情があるという事で、さらには諸々の問題はこの妻が招いてしまっているようだという事。フランスの結婚事情はよく知らないが、日本だったら後ろ指をさされてしまいそうな経緯で再婚しようとしている。

 

 

 映画は終始、殺伐とした張り詰めた空気をまとっている。これから新しい生活が始まろうとしている妻とその再婚相手ですら親密そうな様子はなく、笑顔すら見せない。楽しそうなシーンはほぼ無くて、観ているとこちらまで胃が痛くなりそうだ。だがそれでも観続けてしまうのは、ストーリーテリングの上手さだろう。次に何が起きるのか、続きが気になってしまう。

 

 最後は美しいエンディングが待ち構えていて騙されそうになるが、きっとそんなわけはなく、今後も何か問題が持ち上がるはず。土砂降りや曇り空、もしくは夜のシーンで終始冴えなかったパリの空もこの日ばかりは晴れ渡っていたが、結局これも束の間の快晴でしかないだろうという予感がプンプンと漂っている。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 アスガー・ファルハディ

 

出演 ベレニス・ベジョ/タハール・ラヒム/アリ・モサファ/ヴァレリア・カヴァッリ

 

ある過去の行方(字幕版)

ある過去の行方(字幕版)

  • ベレニス・ベジョ
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ある過去の行方 - Wikipedia

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