「またまたあぶない刑事」　1988

★★★★☆

あらすじ

　若手実業家の裏の顔を追う二人の刑事。シリーズ第２作目。　

感想

　30年以上前の作品なので、演出やセリフ、衣装などに時代を感じて今の感覚ではちょっと…と思ってしまう部分は確かにあるのだが、観ているうちになんだかんだでやっぱこのコンビはカッコいいわ、となってしまう映画。

　今回二人は、国会で議論されていた国家機密法案が絡む、背後に巨悪が存在することを窺わせる事件を追う。何度かさりげなく国旗を映像に映り込ませて、アメリカの介在すらも匂わせるような事件。そんな相手なだけに、彼らが派手に動けば動くほど身の危険は高まるわけだが、それでもいつも通り飄々としているのが良い。全く動じることなく、軽口を叩きながら相手に迫っていく。こういう態度は相手がデカければデカいほど映える。強い者は利用するべきだと主張する女に対して、柴田恭兵演じる刑事が返す言葉がカッコ良かった。

国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案 - Wikipedia

　そんな二人の周りのいつものメンバーたちの存在も、今回はよく効いていた。特に浅野温子演じるちょっとおかしな婦警のトリックスターぶりは、短い時間ながらもインパクトがあって面白かった。その他にも、頼りないようで実は頼りになる後輩刑事や何かと怒鳴ってばかりの課長などもいいアクセントになっていて、キャラクター配置がよく出来ているなと感心してしまった。さすが人気ドラマシリーズなだけはある。

　主人公たちが身内の県警と銃撃戦をしたり、賄賂をもらってウキウキになってるシーンは笑えたし、二人それぞれの見せ場もちゃんと用意され、クライマックスもしっかりと盛り上がって十分に楽しませてくれた。なかなかレベルの高いエンターテイメント作品に仕上がっている。