★★★☆☆
あらすじ
恩師の追悼コンサートに出演するため、5年ぶりに復帰した舞台恐怖症の天才ピアニストは、演奏中に何者かから脅迫される。
イライジャ・ウッド、ジョン・キューザックら出演。デミアン・チャゼル脚本。スペイン映画。91分。
感想
天才ピアニストが、コンサートの演奏中に脅迫される物語だ。渡された譜面を演奏中にめくると脅迫文が書かれていて、最初はスタッフの嫌がらせかと思っていたが、どうやら本当らしいと気付いてどんどんと焦っていく。リアルタイム進行するコンサートの中でどのように立ち向かうのか、緊張感が高まる設定となっている。
ただ、色々と気になってしまう部分はある。例えば、譜面は練習時にメモなどを書き込んだ使い慣れたものを使うのではないのか?当日は本番前に軽く演奏してみるものではないのか?などが素朴な疑問として残った。クラシックコンサートに関する知識が自分にはほぼ無いからだが、実際はどうなのだろうか。
またコンサート中に何度もピアノから離れてステージを降りたり、犯人と無線で会話しながら演奏したりするのは、いくらなんでも挙動不審過ぎるだろう。実際に非常事態なのだから仕方がないのだが、何も知らない観客たちからすれば、いい加減にやっているように見えるはずで、怒りだすのではないかと冷や冷やした。
それに天才ピアニストだから演奏しながら話をすることなんて簡単なことなのだろうが、あまりにも延々と続くとさすがに、なんだこれ?と違和感が強くなる。
その他、まったく見せ場もなくあっさりと退場しただけの友人カップルも何だったのだろう?と思ってしまった。犯人の指示ではあるが、やはりコンサート中の主人公が一人で対処しようとするのは無理があるので、うまく外部の協力者と連携して戦う展開にした方が説得力があったように思える。
とはいえ、リアルタイム進行の勢いで、細かな疑問を押し切ってしまう力があり、時おりニヤリとさせるような笑いも忍ばせていて、なんだかんだで手に汗握って見てしまう映画だ。結構楽しめたのだが、犯人が脅迫してでも手に入れたかったものを見せる最後のオチが、それほど気持ちよくなかったのが残念だ。ここが決まっていれば、もっと好印象になっていたかもしれない。
スタッフ/キャスト
監督 エウヘニオ・ミラ
脚本 デミアン・チャゼル
製作 アドリアン・ゲラ/ロドリゴ・コルテス
出演 イライジャ・ウッド/ジョン・キューザック/ケリー・ビシェ/タムシン・エガートン/アレン・リーチ
音楽 ビクトル・レイェス
