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「妻よ薔薇のように 家族はつらいよ3」 2018

妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ

★★★★☆

 

あらすじ

 三世代が暮らす家を取り仕切る主婦が家出してしまい、親族を巻き込んだ大騒動が起きる。シリーズ第3作目。

 

感想

 三世代で暮らす家が舞台。すでにそれ自体が珍しい気がしてしまうし、さらに妻は専業主婦、隠居の老夫婦はゴルフに習い事にと悠々自適、となると、もはや今は亡き昔の日本の古き良き家族の姿に思えてしまうのだが、全国的に見ればまだまだこういう家族は多いのだろう。だがスマホなどの現代的なものが登場しつつも、何かというと皆が集まり親族会議を行うような旧式な家族の描写を見てしまうと、もはや幻の世界というか、パラレルワールドを見ているかのような気分になってしまう。とはいえ「サザエさん」と同じで、この映画の中はこういう設定の世界観だと頭を切り替えれば、それはそれで別に構わないのだが。

 

 今回は夏川結衣演じる一家の主婦が中心となって描かれる。繰り返される単調な日々に物足りなさを感じていた所に起きたある事件がきっかけで、家出をしてしまうというもの。だが、妻がへそくりをしていた事や日中にうたた寝をしてしまっていた事に夫が激怒するのがよく分からないし、そんな彼に弟が主婦の仕事の重要性や大変さを懇切丁寧に説くシーンは、何を今さら言っているのだと個人的にはくどく感じてしまった。

 

  

 でもよく考えてみれば、つい最近でさえ「女性の話は長い。わきまえなければいけない。」等と発言・謝罪した人を擁護する人はかなりいたわけで、案外世の中にはまだまだこういう感覚でいる人が多いという事なのかもしれない。この映画はそういう層が分かるように、親切に説明しているということなのだろう。男性に家事をさせて、それがいかに大変かを描いてみせたりして。彼らはおそらくこれくらいやらないと分からないだろうし、たとえ理解できたとしても、それを現実世界に反映させるのはなかなか難しいのかもしれない。長年育んできた偏見は、簡単には消し去ることが出来ない。

 

 そんな根深いテーマを秘めながらも、ちゃんと笑えるコメディに仕上がっているのはさすがだ。これまでのシリーズよりも笑えるシーンは少なかった気がするが、それでもダレることなくラストまで持っていく十分な物語力があった。一番上の世代に寄ってはいるが、映画の中の家族のような三世代で楽しめるホームドラマとなっている。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本

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脚本 平松恵美子

 

出演 橋爪功/吉行和子/西村まさ彦/夏川結衣/中嶋朋子/林家正蔵/風吹ジュン/小林稔侍/笹野高史/笑福亭鶴瓶/立川志らく/広岡由里子/北山雅康

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音楽 久石譲

 

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