★★★☆☆
あらすじ
小さな田舎町の人望ある保安官助手は、追い出そうとした売春婦と関係を持つようになる。
ケイシー・アフレック、ケイト・ハドソン、ジェシカ・アルバら出演、マイケル・ウィンターボトム監督。ジム・トンプスンの同名小説が原作。109分。
感想
田舎町の保安官助手が主人公だ。町から追い出そうとした売春婦と関係を持ったことから暴走するようになる。自身の中の嗜虐性に気付いたことがきっかけだが、その後の展開はよく分からない。
地元の実力者が自分の兄を殺したことが分かり、その復讐を果たそうとしたようだが、なぜ実力者の息子と共に売春婦まで殺そうとしたのかが解せない。二人が駆け落ちしたように見せかけて息子だけを殺すとか、他にいくらでもやりようがあった。ただそうすると売春婦の面倒を見なければならなくなるので、どのみち邪魔だったということか。
これは、主人公と売春婦の間の当初の計画がどのようなものだったのかが不明なので、何がイレギュラーだったのかも判然としない。それから登場人物たちの顔や名前を把握していないうちに、立て続けにセリフだけで色々説明されたのも混乱に拍車をかけた。状況をうまく把握できず、何が起きているのかちゃんと理解できなかった。
これに限らず、とにかく具体的なセリフや説明が少なく、全体的に分かりづらい。主人公がなにを考えているのかも読み取りづらくて、うまく物語の展開について行けていない感覚がずっとあった。彼の中の嗜虐性が復讐の中で暴走したということなのだろうが、、それで主人公は楽しんでいるのか、バレやしないかと焦っているのか、どんな感情なのかは分からないままだ。
ただ映画としての雰囲気は悪くない。よく分からないが意味ありげなシーンが続くので、なんとなく見続けてしまう。最後に何か分かったような気にさせてくれたらよかったのだが、残念ながら最後までそんな瞬間は訪れなかった。やたらとしつこいバイオレンス描写だけが印象に残る映画だ。
スタッフ/キャスト
監督 マイケル・ウィンターボトム
脚本 ジョン・カラン
原作 内なる殺人者
出演 ケイシー・アフレック/ジェシカ・アルバ/ケイト・ハドソン/ビル・プルマン/ネッド・ビーテ/イライアス・コティーズ/トム・バウアー/サイモン・ベイカー/ブレント・ブリスコー/リアム・エイケン