★★★☆☆
あらすじ
日本による真珠湾急襲で壊滅的な打撃を受けたアメリカは、形勢逆転の機会を窺う。
太平洋戦争の転機となったミッドウェー海戦を描く。パトリック・ウィルソン、豊川悦司、浅野忠信ら出演、ローランド・エメリッヒ監督。138分。
感想
ミッドウェー海戦を描く物語だ。山本五十六に日本側の立場を語らせた後、真珠湾攻撃が始まり、そして、ミッドウェー海戦に向かうまでが描かれていく。ただ、言葉で説明されるのみなので、地理的な位置関係や敵味方の動きなど、戦局のようなものはよく分からず、なんとなく雰囲気で見るしかなかった。
アメリカ人にとってミッドウェー海戦は、不意打ちだった真珠湾攻撃の報復を果たした戦いとして特別な意味を持っているらしいので、詳しく説明される必要もないくらい常識なのかもしれない。あるいは、「我が国はすごい!と気持ちよくなれるのなら細かいことはどうでもいいんだよ」という、どの国でも見られる単純な愛国者的態度なのか。
爆撃機のパイロットを中心に、司令官や情報将校、そして日本側の山本五十六など、様々な立場の人物を描きながら進行していく。しかしそれは、全方位に配慮したことをアピールしているだけに過ぎない印象だ。
そのせいなのか、それぞれのエピソードに踏み込みが足りず、結果として群像劇というよりも単なる再現ドラマみたいになっている。戦争から浮かび上がってくる人間ドラマといった感はない。戦場で、ひとりウキウキで映画を撮るジョン・フォード監督の姿は可笑しかったが、それも物足りなさはある。
交戦シーンは、どうしてこれで生きて帰って来れるのかと思ってしまうほどの激しさで、戦争の過酷さが十分に伝わってくる。ただ、このほとんどがCGなのだろうなと思うと冷めてしまうのも事実だ。実写の人物と組み合わせてはいるがほぼアニメと変わらず、実写ならではの迫真の力はない。世界でアニメ映画が台頭しているのも分かるような気がした。
人間ドラマも驚くべき展開もなく、シンプルに史実を忠実に再現しようとした歴史映画なので、「そうですか」と受け入れるしかなく、特に何も感想が出てこないのが辛い。ただ、当初はアメリカが日本を恐れ、負けるかもと不安になっていたのは意外だった。
スタッフ/キャスト
監督/製作 ローランド・エメリッヒ
脚本 ウェズ・トゥック
製作 ハラルド・クローサー
出演 エド・スクライン/パトリック・ウィルソン/ルーク・エヴァンズ/アーロン・エッカート/ニック・ジョナス/豊川悦司/マンディ・ムーア/デニス・クエイド/ウディ・ハレルソン/ダレン・クリス/ジェイク・ウェバー/ブレナン・ブラウン/アレクサンダー・ルドウィグ/デヴィッド・ヒューレット/マーク・ロルストン/ルーク・クラインタンク/ピーター・シンコダ/ヒロ・カナガワ
登場する人物
チェスター・ニミッツ/ウィリアム・ハルゼー/エドウィン・レイトン/ウェイド・マクラスキー/ジミー・ドゥーリトル/レイモンド・スプルーアンス/ハズバンド・キンメル/アーネスト・キング/ジョン・フォード/山本五十六/山口多聞/南雲忠一/加来止男/源田実/東條英機/昭和天皇


