★★★☆☆
あらすじ
男子大学生から消息が分からなくなった恋人の捜索を依頼された探偵。
感想
探偵である主人公が、失踪した女子大生を探す序盤は、どのような事件につながっていくのか全容がなかなか見えず、どうなっていくのかと期待させてくれる。ただ、次の手掛かりが簡単に見つかるので、若干トントン拍子すぎるきらいはあるが。
コミカルさも交えたハードボイルド映画で、面白くないわけではないのだが、全体に滲み出ている古臭い雰囲気がどうにも受けつけない。おそらくは敢えてオールドファッション感を出しているのだろうが、本来であればそれでも自然と感じられるはずの「今」感がゼロで、ただただ古臭い。
昭和臭いセリフや演出が随所に登場して、その度に冷めてしまった。特に新しさを全く感じさせない時代遅れ感のある音楽にはげんなりさせられる。もしかしたらこの映画は、いつの時代に見ても古臭く感じてしまうのではないだろうか。あるいは逆にこれが新鮮に思える層がいるのかもしれないが。
中盤に、ヒロインである北川景子が前面に出てきて、事件の全容は明らかになる。その事件の杜撰さと都合の良い決着のつけ方に、だいぶテンションは下がってしまった。そしてここからは、事件の行方よりも人情劇に比重が移っていく。
物語の結末も大体見えてきて、この辺りからすでにエンディングの気配が漂っているのに、なかなか終わろうとしない。結局、事件を見せたかったのではなく、この人情劇をやりたかったという事なのだろうが、後日譚の長さには辟易してしまった。こうやって湿っぽい人情噺をたっぷり描く所も古臭いよなと、最後に改めて再確認させられた。
スタッフ/キャスト
監督 吉田照幸
脚本 古沢良太
出演 大泉洋/松田龍平/北川景子/前田敦子/志尊淳/鈴木砂羽/リリー・フランキー/松重豊/安藤玉恵/マギー/坂田聡/東直己/野間口徹/天山広吉/栗山英樹/片桐竜次
音楽 池頼広
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