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「映画 謎解きはディナーのあとで」 2013

謎解きはディナーのあとで

★☆☆☆☆

 

あらすじ

  バカンスで豪華客船に乗り込んだ富豪令嬢の女刑事とその執事は、船内で殺人事件に遭遇する。

 

 連続テレビドラマの劇場版。

 

感想

 豪華客船内での殺人事件を描いたミステリーだ。テレビドラマの映画版だが、最初に前提となる情報を教えてくれるので、ドラマを見ていない人でも楽しめるようになっている。親切設計だ。ドラマは見ていないが、ドジな美人令嬢と毒舌の執事のコンビで謎解きをしていくスタイルのようだ。

 

 序盤はコミカルな描写が多い。だが全く笑えず、ただの悪ふざけにしか見えない。とはいえまだ序盤だし、本題に入れば真面目にやるのだろうと鷹揚に構えていたのだが、最後までずっとこんな感じだった。そもそもメインの事件がちゃんと描かれない。殺人事件が起きたのに皆のリアクションは薄いし、犯人からのメッセージが届いても緊迫感はゼロだ。誰も積極的に犯人を捜している様子がないし、容疑者らしき人物も浮上せず、全然推理を楽しむ醍醐味がなかった。

 

 

 まったく事件としての盛り上がりを見せることがないままに、突如主人公が謎解きを始めてしまって事件はあっさりと解決してしまう。その後は犯人のベタベタでウェットな独白が始まるのだが、感情移入できるほどその人のことを知らないので無表情でただ聞き流すだけだった。やる気がないならやらなきゃいいのに、と思ってしまうようなミステリーだ。

 

 これで終わってくれればまだましだったのだが、その後はどうでもいいような後日談が延々続く。突然宮沢りえがクローズアップされるが、正直どうでもよかった。元々メインが駄目だからいくら頑張っても駄目なのだが、その他はしょうもない小ネタばかりで、面白くもないし笑えもしない。茶番に次ぐ茶番で逆に感心してしまうほどだった。作り手自身が何をやりたいのか分からなくなっていそうだ。

 

 映画には演技の上手い人から下手な人までいろんな役者が出演しているが、その誰もがことごとく酷いというのも珍しい。これは完全に撮り手の問題だろう。演出も酷いので全体的に学芸会のお遊戯感が漂ってしまっている。口パクの歌手のシーンなどはまさにそれだった。出演者の保護者や、保護者気分になれる人なら微笑ましい気持ちで楽しむことが出来るのだろう。

 

スタッフ/キャスト

監督 土方政人

 

脚本 黒岩勉

 

原作 謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)


出演 櫻井翔/北川景子/椎名桔平/野間口徹/中村靖日/中村雅俊/桜庭ななみ/要潤/黒谷友香/甲本雅裕/志賀廣太郎/竹中直人/大倉孝二/鹿賀丈史/伊東四朗/宮沢りえ/児嶋一哉(アンジャッシュ)/中野美奈子/ダイヤモンド☆ユカイ/田中要次/六角精児/団時朗/石井正則

 

音楽 菅野祐悟

 

謎解きはディナーのあとで (テレビドラマ) - Wikipedia

 

 

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