★★★★☆
あらすじ
風俗店で働く三人の女たち。
日活のロマンポルノ・リブート企画として制作された作品。
感想
三人の女性と客たち、そして店員たちの群像劇だ。こういった業界を舞台にした物語というと暗い話になりがちだが、ちゃんと笑いも交えて悲喜こもごもの人情劇となっているのが良い。
おそらく三人の女性とそれぞれ一人の男性客という組み合わせで、その関係だけを描いていく形式だったのが良かったのだろう。本当はその他にもたくさんの客がいて、その分色々あるはずなのだが、そこはほぼ描かれていない。ただそんなことは分かり切った事なので、わざわざ描く必要はないのか。
三人の女性の中では、妻を亡くした老人の客との関係を描いた女性の話が面白かった。話し相手が欲しいだけの老人とそれだけでは申し訳ないと思う女性。しかし次第に二人の関係は変化していく。どうなっていくのかと思っていたら、すごい着地点だった。切なく悲壮感はあるのだが、どこか可笑しみもある展開で、最終的には良い話となった。良い話、でいいはずだ。
当たり前だが、こういう世界にいる人たちも普通の人間で、良い事が起きたり悪いことが起きたりの日常を、ただ普通に生きている。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 白石和彌
出演 井端珠里/真上さつき/美知枝/吉澤健/村田秀亮/久保田和靖/白川和子
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