★★★★☆
あらすじ
羊飼いの少年が、ある日夢で見た宝物を探して旅に出る。
感想
嫌な予感がよぎりつつ読んでいたが、その予感が当たらないでよかった。この手の話は、宝物を探すうちに得た経験や知識、そして出会いがかけがえのない宝物となりました、本当に大切なのはモノなどではなかったのです、みたいな、いかにもいい話でしょうと著者が得意気になる話になりがちだが、これはそうではなかった。その点だけでも評価できる。
そしてこの一見まるで童話のような物語の中に、どきりとさせられる言葉や話が詰め込まれている。友人は、いつの間にか自分を所有物のように扱おうとするようになる、とか、はっとさせられる。人は自分の周りの人間を、自分の都合のいいように変えようとする。友人ならこういうときはこうして欲しい、とか自分の思うような友人像を押し付けるようになる。確かに、と時々本から目を離し、しばし考えてしまう。
そんな示唆が詰まった本だが、一番言いたかった事は、勝手に自分で自分に言い訳して限界を決めるなということだろう。やりたいけどあきらめていることで、何でそれをあきらめているのかその理由をよくよく考えてみると、ただ自分には無理だと思ったから、だけだったりする。たしかに自分で限界を決めてその範囲内で生きている人は楽そうではある。しかし楽しく生きるには、勝手に限界を設けないで、自分を信じて挑んでいくことが大事なのだとこの本は教えてくれる。
著者
パウロ・コエーリョ
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