★★★☆☆
あらすじ
ポリビアでのチェ・ゲバラ。「チェ 28歳の革命」との2部構成。
感想
キューバでの革命を成功させたにも関わらず、それで満足せず他国での革命にも参加するチェ・ゲバラ。普通は権力を握って結局、独裁政権になるのが常なのに、そんなものを投げうって、また一兵士として戦場に向かうところに、革命家としての本物感がある。それだけに相手国にとっては厄介な存在。当然警戒してくる。
キューバでは戦況が次第に好転していったのに対して、ボリビアでは一向に好転する気配がない。味方が増えるわけでもなく、農民の賛同も得られず、食料も枯渇していく。次第に追い詰められていく状況になっても、戦い続けるしか道がないのが、革命家のつらいところかもしれない。
仲間たちが次々と戦いの中で倒れていったのに、本人は戦死ではなく捕まってしまった所に彼の宿命のようなものを感じる。人知れず戦いの中で死んでいくのではなく、皆にしっかりと自分の存在を刻みつけて死んでいく。捕虜になったゲバラが見張りの兵士に親しげに話しかけ、平然と「縄をほどいてくれ」と言ってのけるシーンは凄みがあった。チャンスがある限り決して諦めない。だからこそあれだけのことができ、そしてこういう最後になったのだなと、どこか納得させられる。
スタッフ/キャスト
監督
製作/出演 ベニチオ・デル・トロ
出演 フランカ・ポテンテ/カタリーナ・サンディノ・モレノ
撮影 ピーター・アンドリュース
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