★★★★☆
あらすじ
ヴァンパイアハンターであるブレイドは、敵対するヴァンパイアに休戦を申し込まれ、両者の存在を脅かしかねない新種のヴァンパイアを共同で倒すことを提案される。
感想
今作は主人公がヴァンパイアたちと手を組んで、共通の敵を倒そうとする物語。敵との戦いだけでなく、協力するヴァンパイアとの呉越同舟ならではの緊張感もある。シリーズ物はどんどんとストーリーが複雑化してしまいがちだが、この映画は前作がベタでシンプル過ぎただけに、上手くひねりが加えられた感じでちょうど良く、物語に深みが出ている。
そしてスタイリッシュさだけで魅せていたような映画の続編なのに、前作と監督が変わっていたのは意外だった。今回も前作同様、音楽も良くてカッコいいシーンもあるが、軽快なテンポは失われてしまっている。その分、ストーリーに重きを置いた感じだろうか。確かにスタイリッシュさだけで何作も作るのは困難で、中身がなければつらいところはある。ただ、今回の監督であるギレルモ・デル・トロらしさは随所に見られて、彼が好きそうな「AKIRA」や「エイリアン」を彷彿とさせるシーンが幾つもあった。
今回の敵は、新種へと進化した凶悪なヴァンパイアで、不気味にあごが割れて口を広げる様子が気持ち悪くて良かった。調査のために検体の胸を切開してじっくりと調べるシーンもあっったりして、今回はグロいシーンが多めだ。彼らを倒すために主人公とヴァンパイアたちは協力し合って戦うわけだが、戦いの様子を見ていたら、正直、ヴァンパイアたちは大したことしてないなと思わなくもない。一緒に戦うというよりもほとんどん主人公におんぶに抱っこの状態だ。デイウォーカーと呼ばれ、日光を浴びても問題ない主人公の強みが、どれだけのアドバンテージであるかがよく分かる。
ラストの主人公と大ボスとの戦いは、なんとなくプロレス風だった。さすがに戻ってはこないが、ロープに振られるように投げられたり、ジャイアントスイングのように振り回されたり。一方的な展開が続きながらも、一瞬の隙をついて攻守が入れ替わったり。タメもあるので、ここで観客を煽ったりすれば完璧だなと思ったりもして、なかなか見ごたえのあるクライマックスだった。そして見事に勝利してからの、ヒロインとの美しいシーンで迎えるエンディング。エンタメ作品として満足度の高い映画だった。
スタッフ/キャスト
監督 ギレルモ・デル・トロ
脚本/製作総指揮 デヴィッド・S・ゴイヤー
原作 Blade: Undead By Daylight (Tomb of Dracula (1972-1979)) (English Edition)
製作/出演 ウェズリー・スナイプス
製作総指揮 アヴィ・アラッド/リン・ハリス/スタン・リー/パトリック・J・パーマー
出演 クリス・クリストファーソン/レオノア・ヴァレラ/ノーマン・リーダス/ロン・パールマン/ルーク・ゴス/トーマス・クレッチマン/ドニー・イェン/マット・シュルツ/カレル・ローデン/サンティアゴ・セグラ
音楽 マルコ・ベルトラミ
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