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「極道の妻たち 赫い絆」 1995

極道の妻たち 赫い絆

★★★☆☆

 

あらすじ

 夫の組長襲名披露の日に敵対する組の者を殺してしまい、服役する事になった妻。抗争に発展するのを防ぐために離婚した女は、出所後カタギの生活をひとり始める。シリーズ第8作目。

 

感想

 夫の襲名披露の日に、敵対する組の人間に襲われた主人公。身を守るために相手に怪我を負わせただけなのに、それで5年も服役とは厳しすぎる。正当防衛で通りそうなものだが。暴力団ということでその辺は考慮してくれなかったということか。

 

 それから、主人公を助けるために相手を殺した組長の身代わりとして、別の者を自首させたのだから、そいつが全部やったことにするか、または主人公のためにもまた別の身代わりを立てればよかったのに、と思ってしまった。それに組長の身代わりも、幹部じゃなくて下っ端の人間がやるべきだしと、いろいろと合点がいかない部分が多い。

 

 

 出所後は、組には戻らず東京で一人暮らしを始める主人公。優雅に暮らすのかと思いきや、スーパーでパートの仕事を始めたりして、意外とちゃんとカタギをやっている。しかし、全然似合っていないのが面白かった。誰かにどやしつけられたらブチ切れそうな雰囲気を漂わせている。

 

 主人公の旦那である組長は、主人公と別れた後すぐに再婚したりして今いち考えていることが読めない。なにか意図があったわけじゃなく、ただ欲望のままに再婚したようなので、相当などうしようもない奴だ。最後も全てを投げ出して、自分だけはいい思いをしようとする。

 

 正直こうなってくると、こんな男と結婚していた主人公はどうなの?と思ってしまった。カッコよさが半減してしまうというか。旦那もカッコいいが、その妻はもっとカッコ良かったというストーリーにしたほうが盛り上がると思うのだが。女のカッコ良さを引き出すには、男の駄目な所を強調しなければ無理、というわけでもないだろうに。

 

 今回は主人公の見せ場はラスト10分位しかなく、それまではひたすら蚊帳の外。ある意味で、パートのオバちゃんをやったのも見せ場と言えるかもしれないが、きっと観客が期待するものでないはず。

 

 終盤の敵対する組長との対決、という見せ場にしても、ああ前回と同じパターンね、とすぐにわかるシチュエーション。ちょっとがっかり。ただラストは、夫のためなら何でもやろうとした「かたぎ」の後妻との違いを見せつける「極道」の妻ぶりで、貫禄を感じさせてくれた。

 

 オープニングとラストのつながりといい、実はちゃんと伏線を散りばめたよく練られたストーリーとなっている。ただ、物足りなさは残る。

 

スタッフ/キャスト

監督 関本郁夫

 

出演 岩下志麻/赤坂晃/毬谷友子/鈴木砂羽/八代亜紀/島木譲二/六平直政/目黒大樹/安永亜衣/佳那晃子/大沢逸美/西田健/萩原流行/渡辺裕之/宅麻伸/古田新太/本田博太郎/長谷川初範/松澤一之/木村勉/松方弘樹

 

撮影 木村大作

 

極道の妻たち 赫い絆

極道の妻たち 赫い絆

 

極道の妻たち - Wikipedia

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