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「新・極道の妻たち」 1991

新・極道の妻たち

★★★☆☆

 

あらすじ

 夫の死後に組を率いていた女は、出所した義理の弟に組を継がせ身を引くつもりだったが、実の息子を巻き込んだ跡目争いが起こってしまう。

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 「極妻(ごくつま)」シリーズ第5作目。

 

感想

 組長が死んだ後、その妻が代わりに組を率いるなんて、そんな簡単にできるわけないだろと思ってしまうが、映画はそれは当然、という体でスタートする。これはひとえに岩下志麻がこれまでシリーズで積み重ねてきた実績によるのだろう。このシチュエーションで、観客に何一つ違和感を感じさせないのは、良く考えるとすごいことかもしれない。

 

 映画はこれまでのシリーズで語られなかった切り口、組を仕切る女の、母としての一面をクローズアップしている。彼女を極道の妻たらしめた夫はもう死んでいる。この夫がいると、主人公の女の部分が出てきてしまうので、個人的には今回のように夫がおらず、主人公の侠気が前面に出ている方が好みだ。

 

 

 組のこと第一で、母親の顔は隠している主人公。だが当然母親として息子のことを心配しているわけで、それを見せないところが痺れるのだが、本当は息子が心配でしょうがないというその描写が丁寧すぎて少し笑ってしまった。気丈に振る舞いながらも少し表情を曇らせる、ぐらいでは駄目だったのだろうか。だが娯楽作なのでわかりやすいほうがいいのかもしれない。

 

 いつ抗争が始まるのかとか思っていたが、結局組同士の大きな抗争は起こらず、内部の跡目争いがメインとなっている。ただこの映画の悪者となる桑名正博演じる義理の息子の悪いところがそんなに描かれていないので、あまり気分は盛り上がらなかった。

 

 クィーンの「ボヘミアン・ラプソディー」のPVみたいに、今にも歌い出しそうな岩下志麻のアップで終わるエンディングは結構好きだった。

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スタッフ/キャスト

監督 中島貞夫

 

原作 極道(ごくどう)の妻たち (文春文庫)

 

出演 岩下志麻/高嶋政宏/桑名正博/海野圭子/かたせ梨乃/夏八木勲/新藤恵美/西岡徳馬/綿引勝彦/三上真一郎/本田博太郎/石橋蓮司/山村紅葉/木村緑子/野口貴史

 

撮影 木村大作

 

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