★★★☆☆
あらすじ
リアルな夢に悩まされていた少年は、ある日夢の中の世界へとつながる場所を発見する。95分。
感想
宇宙のバランスを保つタワーを守るため、少年がガンマン(ガンスリンガー)と協力して戦う物語だ。一種の冒険物語と言えるだろう。異世界へとつながるゲートを前にした時はワクワク感があった。
ただ物語の世界観に関する説明が不足していて、細かい設定がよく分からなかった。ガンマンはそもそもどういう人なのか、主人公が持つ特殊能力は何ができるのか、敵の黒衣の男はなぜ強いのか等がすべて曖昧だ。細かいところはこれまで見てきた似たような映画を参考にそちらで補完してくれ、と言われているかのようだ。
それから主人公がほとんど活躍しないのも物足りない。やったことといえばガンマンを敵と戦える状況にいざなったくらいだろうか。これではヒーローというよりも単なる案内役だ。
またガンマンも、復讐心に囚われて本来の目的を見失っていると非難されているが、どちらにしても敵を倒さなければならないのだから別にそれでも良くない?と思ってしまった。合理性ではなく精神性の問題なのは分かるが、分かりにくかった。
壮大な世界観の物語をこじんまりと描いてしまった印象の映画だ。そもそもスティーヴン・キングの原作が全7巻もある長編なので、2時間程度の映画で完全に描き切るのは無理な話だ。その代わりにシンプルにコンパクトに描こうとしたのだろう。あわよくばシリーズ化も狙っていたのかもしれない。
100分未満の映画は嫌いじゃないが、この映画に関してはもっとじっくり世界観を描いたうえで本題に入って欲しかった。なんだかもったいなさがある。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ニコライ・アーセル
原作 「ダークタワー」シリーズ I‐VII【14冊 合本版】 (角川文庫)
製作 アキヴァ・ゴールズマン/ロン・ハワード/エリカ・ハギンズ
出演 イドリス・エルバ/マシュー・マコノヒー/トム・テイラー/クローディア・キム/フラン・クランツ/アビー・リー/キャサリン・ウィニック/ジャッキー・アール・ヘイリー/フラン・クランツ/デニス・ヘイスバート/ホセ・ズニーガ
音楽 トム・ホルケンボルフ