★★★☆☆
あらすじ
ベトナム戦争から帰還した大佐は、残された捕虜を救出するために再び現地へと向かう。
原題は「Missing in Action」。
感想
ベトナム戦争の英雄である主人公が、現地に残る米軍捕虜の救出に乗り出す物語だ。特に説明もなく、当然のように主人公が強い前提で物語が進むのは、演じているのがチャック・ノリスだから、なのだろう。
これまで彼が出演する映画をほとんど見ていない自分でも、彼が強いらしいことはなんとなく知っているので、それはそれでいいのだろう。アクション映画のあるあるでもある。ただ、公開当時の人たちにもそういう認識があったのかは分からないが。
物語はアクションシーン満載で展開する。だが古い映画なので、今見るとアクションがだいぶもっさりとしている。元々すごいことをやっているのだから、わざわざすごいことをやっているように演出する必要はないだろうと、そのまま撮っているだけのような印象だ。
中でも建物の上階から外壁をつたって地上に降りるシーンは、モタモタぶりが目についた。実際にやっているのだろうから本当にすごいのだろうが、手の位置を探り、足場を確認しつつそろりそろりと動き、時には一旦上に戻ったりする様子には全くキレがなかった。リアルだがテンポは悪く、映像的には映えない。
それから主人公の単独行動が多く、セリフが少なくて案外と静かなのも特徴的だ。当時ならいざ知らず、今見ると地味で刺激が少なく、正直なところ、見ているのがしんどい部分があった。
ただ、敵地に乗り込んでの爆破シーンは、火薬の量が尋常でなく、迫力ある映像で見ごたえががあった。それから、主人公を手伝う相棒が三枚目の良いキャラで、コミカルな二人のやり取りも楽しめた。彼が地元の男たちに絡まれているのに、主人公が全く気にすることなく普通に話しかけていたシーンは可笑しかった。
ボスキャラだと思っていた男が途中であっさりとやられてしまったり、たくさんいるのかと思っていた捕虜がわずか数人だったりと、予想外のことが色々あったが、それでも終盤にかけてそれなりに盛り上がっていく。助けた捕虜を連れて会議場に乗り込んだ瞬間にエンディングとなる結末にも潔さがあった。カタルシスがちゃんと得られて、最終的な印象は悪くない。
スタッフ/キャスト
監督 ジョセフ・ジトー
製作 メナハム・ゴーラン/ヨーラン・グローバス/ランス・フール
出演 チャック・ノリス/M・エメット・ウォルシュ/レノア・カスドーフ/ジェームズ・ホン/リック・セグレト/ベラ・フローレス
関連する作品
次作