★★★☆☆
あらすじ
ベトナム戦争時の命の恩人で、祖国コロンビアの革命に失敗し死んでしまった男の遺志を継ぎ、仲間を引き連れ現地に向かった男。
感想
ベトナム戦争時が描かれる冒頭からタイトルバックまで、延々と歌入りの音楽が流れ続けるのが煩わしかった。MTVの影響を受けたこの頃の映画の特徴ともいえるのだが、これ以降も頻繁に音楽が耳障りに感じるシーンがあり、音楽が悪目立ちする映画になってしまっている。
主人公が恩人の遺志を継ぎ、革命を成功に導く物語。ただこの恩人が、大統領を人質に取る事まで成功しながら、あっさりとあきらめてしまったのが解せなかった。軍隊を脅して武装解除させるとか、もっと色々やりようはあったはずだ。でも大統領はすげ替え可能な飾りであって、本当の悪玉は裏で操る麻薬王だから、誰も脅しには屈しないのかもしれない。
仲間を集め、資金や武器を調達して主人公はコロンビアに乗り込む。ずっと主人公のターンが続き、窮地に陥ることなく順調に物事が進んでしまうので、だいぶ物足りなさはある。だが主人公が大衆と共に大統領邸に突き進んでいく様子は、革命の熱気が感じられ、心が高ぶった。その過程で大衆にたくさんの犠牲者が出ているのもリアルだ。リスクを取ってこそ革命はなるものだ。無血革命などなかなかできるものではない。
最後の最後まで順調で、思っていたよりもあっさりと革命は成功してしまった。それに主人公の決着のつけ方を見たら、恩人も同じ事すればよかっただけでは?と解せない思いが再び蘇ってしまった。でもそれなりに楽しめる映画だった。
この映画がヒットしていれば、クリストファー・ウォーケンがリーアム・ニーソンのようにアクションスターになっていた未来もあったのかな、と思ったりした。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ジェームズ・グリッケンハウス
出演 クリストファー・ウォーケン/マリア・コンチータ・アロンゾ/マイケル・アイアンサイド/スティーヴ・ジェームズ/ヴィクター・アルゴ/ルイス・ガスマン
音楽 クリストファー・フランケ