★★★☆☆
あらすじ
アメリカからフランスの金持ちが集まる街にやってきた詐欺師の女は、すでに現地で仕事をしていた女詐欺師と縄張りを賭け、どちらが先に男を騙せるかの対決をすることになる。
1988年の映画「ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ」のリメイク作品。
感想
二人の女詐欺師がコミカルに対決する物語だ。冒頭で紹介がてらに二人それぞれが詐欺を行なうシーンがある。だが、レベル・ウィルソン演じるアメリカ女(出身はオーストラリア)が、出会い系サイトで知り合った男に豊胸手術代として金を騙し取る詐欺はちょっと分かりにくかった。
それだけ男が女に会うために必死になっているというギャグなのかもしれないが、整形手術を受けようとしている女性に、わざわざ手術代を出してあげてまで会いたいかなと疑問に感じてしまった。ただ、これは単純に整形手術に対する意識が彼らとは違うからなのだろう。彼らは別にそれに何の抵抗も感じていないから、交通費がないから行けないと言う女性にお金を出してあげるくらいの感覚なのかもしれない。
その後のアン・ハサウェイ演じるイギリス女の詐欺も、それのためだけにそんな大掛かりなことをするのかと、これまた不可解な感じがしてしまった。詐欺師の映画の割にはこの他の詐欺シーンもあまり爽快感がなく、どれもパッとしない印象だ。
やがて二人は出会い、色々あって対決することになる。基本的にはイギリス女が仕掛け、アメリカ女が応戦する形で進み、その中で様々な笑いが生まれていく。不利な状況にいるアメリカ女が、へこたれずに反撃するのが面白かった。
彼女が盲目のフリをするのはちょっとどうかと思わなくもないが、それでも目が見えない設定をいいことに、イギリス女の高価な壺をわざと割ったり、胸が小さい彼女をわざと男と勘違いしたりするシーンには思わず笑ってしまった。演じているレベル・ウィルソンの扱いづらそうな太々しい食えない感じのキャラクターが素晴らしい。
それなりに笑えて、最後にはサプライズもあって、気楽に楽しめる映画だ。ただせっかく女二人が主人公なのだから、もっといろんな角度から男の特性をコケにするような痛烈なジョークが欲しかった。割とどれもワンパターンだ。あまりやり過ぎると変な意味が生まれてしまうので、バランスをとったのかもしれないが。
スタッフ/キャスト
監督 クリス・アディソン
脚本 スタンリー・シャピロ/ポール・ヘニング/デイル・ローナー/ジャック・シェイファー
製作/出演 レベル・ウィルソン
出演 アン・ハサウェイ/アレックス・シャープ/ディーン・ノリス/ロブ・ディレイニー/ティム・ブレイク・ネルソン*
*ノンクレジット
音楽 アン・ダッドリー
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