★★★☆☆
あらすじ
ヘリの事故により捕虜となった主人公率いる部隊は、ベトナム戦争後も解放されず、収容所で非人道的扱いを受け続ける。
原題は「Missing in Action 2: The Beginning」。シリーズ第2作目。
感想
すでに帰国していた前作よりも時系列的には前の、主人公の収容所時代が描かれる。ベトナム戦争が終結したにもかかわらず、主人公と部下たちは陸の孤島のような場所で強制労働をさせられ、虐待されている。
前半は主人公らが虐げられるシークエンスが延々と続く。戦争は終わったのだから、敵もさっさと開放すれば楽なのにと思ってしまうが、捕虜たちを戦争犯罪者に仕立て上げることで、国際的に有利な立場に立ちたいとの思惑があったのだろう。
戦争犯罪を認める嘘の署名をさせようと、主人公らは様々な拷問を受ける。そんな中で印象的だったのは、飢えたネズミが入った袋を頭にかぶせるものだ。顔を齧らせようとするものだが、拷問はやる側の創意工夫や発想力が試される側面もあるのだなと思わずにはいられない。
そんな酷いことをよく思いつくなと感心しながら見ていたのだが、血の色に染まっていった袋を取ってみれば、主人公が逆にネズミを噛み殺していた、というオチは面白かった。
散々痛めつけられても耐えていた主人公だったが、こらえきれなくなって後半についに爆発する。まるで任侠映画のような構成だ。
まず主人公は、密かに手に入れた爆薬で反撃の狼煙を上げるのだが、その爆破シーンが前作同様に激しいもので見ごたえがあった。ただあまりにも派手に爆発させまくるので、主人公に危ない爆弾魔のような雰囲気がなくもない。
クライマックスはラスボスとの直接対決だ。それまでには主人公の絶対に部下を見捨てない姿や、裏切ったと思っていた元仲間が体を張って皆を守る姿があったりして、否が応でも盛り上がる展開となっている。
前作のいまいち焦点が定まらなかったプロットとは違い、今回は王道の分かりやすさがある。なによりも、ただ収容所からこっそり脱走するのではなく、散々自分たちを痛めつけてきた者たちを全員叩き潰そうとするのがいい。カタルシスがあって楽しめた。
スタッフ/キャスト
監督 ランス・フール
製作 メナハム・ゴーラン/ヨーラン・グローバス
出演 チャック・ノリス/スーン=テック・オー/スティーヴン・ウィリアムズ/プロフェッサー・トオル・タナカ/リック・セグレト/ミーシャ・ハウザーマン
音楽 ブライアン・メイ
チャック・ノリスの 地獄のヒーロー2 - Wikipedia
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